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カテゴリ:読書のこと
私の日常の仕事を作業別に分けると、
テープ起こし、執筆、校閲、編集 ということになる。 この中で、おそらく得意なのがテープ起こしで、好きなのが校閲。 この本の冒頭にこういう文章がある。 「自分を専門家だ、日本語の知識は誰にも負けない、などと 思っている校閲者は、はっきり言って、ダメな校閲者です」 私は「テープ起こしはネガティブな人のほうが向いている」 という言い方をしているけれど、自信過剰は「ざるの目・ざるの耳」になるので、 本当にこの仕事に向いていない。 いわゆるハウツー本ではないので、 これを読むと校閲ができるようになるというたぐいの本ではない。 でも、出ている事例は押さえておきたいものが多い。 最初に出てくる「宮城(きゅうじょう)に向かって遥拝(ようはい)して」 と「東条英樹」(正しくは「東条英機」)なんかは 私も出会ったことがある「校閲あるある」だ。 (ちなみに、私は「東條英機」と書くことにしている) 新聞社や国会議事録の校閲は原則主義だけれど、 新潮社は書籍・雑誌の出版社なので、最終的には「さじ加減」だと筆者は語る。 このさじ加減は九分九厘は原則に則って、地道に校閲した最後の一厘だったりする。 本当に地道に地道に校閲するんだよなあ。 さらっと書いてあることがいろいろ怖い(笑)新潮社の校閲部。 そして、愛を持った最後の「さじ加減」があるから校閲は楽しいのかもしれない。 巻末に、「誤植があったら編集部にご一報を」とあってクスリとした。 誤植ではないけれど、私のスタンスとは違う表記は三つ。 「御存じ」「出来ない」「一ヵ所」 私だったらこうする。 「ご存じ」「できない」「一カ所」
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