テーマ:好きなクラシック(2282)
カテゴリ:ピアノ
ニコライ・ホジャイノフ ミニ・コンサート&サイン会 ◆日にち 10月15日(月) ◆時間 18:30 OPEN 19:00 START ◆場所 ヤマハ銀座 コンサート・サロン(使用ピアノ:ヤマハCFX) ■演奏曲 ニューアルバム「マイ・フェイヴァリッツ」より ショパン:バラード2番 シューベルト:さすらい人幻想曲 リスト:鬼火 (アンコール) ガーシュイン:3つの前奏曲~2番(当日アナウンスされた「ボギーとベス」ではない) 本日はタキシードに蝶ネクタイ姿で登場。 会場でのご案内は新譜CDを発売しているビクターの方々。 都内対象店舗でCDを購入し応募した人のなかから40組80名ご招待という贅沢なコンサート。 前日の渋谷タワーレコードでのミニ・コンサート&サイン会に続いて至近距離でホジャイノフを聴くチャンス。 聴衆の半数くらいは前日にも見かけた面々で、熱烈ファンが全国から駆けつけるコンサートとなった。 (聴衆の8割くらいは女性) 前日と異なりピアノ環境は最高。 この狭い空間でCFXは大きすぎると感じたほどの音符の塊を体全体で浴びることができた。 この日はプレス向けに数度の演奏を行っていたようで疲れたような印象も受けたが、前日と同じ曲を演奏するということもあり解釈・表現に変化をもたせようとした印象。 ホジャイノフについては基本的に前日と同じ感想なのだが、私の抱くホジャイノフ感はこんな感じ。 ・キラ星のような輝かしいサウンドで快活な演奏スタイル。元気をもらえる ・歌い心も抜群で特に憂いのメロディーラインは旋律に酔いしれることができる ・低音~高音いずれの音でも弱音から強音のコントロールが巧み ・弱音パッセージ、特にノンペダルでの表現力は均質な音が(変なアクセントが無く)素晴らしい ・テクニックはいわずもがなで難所ほど顔を赤くして頑張る(もうちょっと体重増やした方が楽に音が出せるか?いや余計なお世話か) これからメジャーコンクールをうけていき、全て制覇したいとのコメントだったので下記のような点が気になるか。 特に最近の覇者の傾向は正確無比でややインテンポ気味のピアニストが多い気がするため。 ・この二日は音量コントロールが大雑把だったかも。 特にバラードやさすらい人でクレッシェンドをかけていくべきところでいきなり大音量。 疲れていて神経が行き届かないような(悪く言うとめんどくささ)印象を受けた。 ・歌い心を感じるような旋律の際に半音延ばしたりして個人的には間延び・聴き疲れを感じる箇所がいくつかあった。 というか演奏に疲れちゃって間延びというよりむしろ暗譜飛びか?と思わせる間延も数回感じられた。 しかしこれが彼の人気でもあり、友人はインテンポでガツガツやられるより彼のルバートの方がいいと言っていた。 ・外国人に多いのだが、アルペジオやスケールの端っこの音をはっきり弾かないことが多い。 日本人がきっちり弾きすぎるのか?この日は特に弱音でのそのような箇所をノンペダルで弾いていたので気になったが、ノンペダルの弱音パラパラ効果は素晴らしかった。 バラード2番で感じたのは音量コントロールのこと。 元気で好感度のさすらい人。前日はブラヴォ~が飛び出す熱演・快演だった。 上記に加えてちょっと気になったのは冒頭のテーマのように同じ和音を弾く際に、鍵盤の戻りが悪いような、次の音に出遅れるようなまどろっこしさを感じることがあった。 この箇所ほどインテンポで和音を叩くともっと快活に感じるかなぁとの印象。 鬼火は本人いわくショートピースなのでとのことであまり語らなかったが、この日の面白い取組は左手が激しく跳躍を繰り返し右手はひたすら重音進行の箇所。 右手は弱音、そしてノンペダル。 パラパラ~と聴こえる音の出し方が新鮮で聴いていて心地よかった。 前日は「もう一曲弾かせて!」の手振りでアンコール。 本日はお辞儀のあと普通にアンコールに突入。曲は前日同様ガーシュインながら本日は2番。 ガーシュインがお気に入りなのか、それともインタビューのトークのようにあまり考えない選曲だったのか。気になる気になる。 このあとは伊熊さんのインタビュー。 時間も無いので伊熊さんが知りうるホジャイノフ像を紹介。 例えば、彼は哲学的で、読書家で、死や絶望を意識する演奏スタイル(特に絶望の淵から這い上がる曲が好きとのこと。Ex第九)。 音楽については語るより聴いてくれと。 新譜に入っているベートーヴェンはその頃リサイタルで弾いていたので入れたとか(マイフェイバリッツじゃなかったのか?(笑))、フランクを弾きますか?の質問には弾きたいですとのコメント。 シューベルトは「指」のテクニックは難しいが曲の内面も難しい。特に2楽章が絶望的な、ごにょごにょ・・。 鬼火は短い曲なので・・・(特に語らず)。 サイン会はファンとの個別トークと握手を交えて。熱気ムンムンなイベントとなった。 かくいう私もミーハーなもので・・・。 前日に渡した某巨匠リバイバルモデルの蝶ネクタイを使う予定はあるか?と聞いたところ、なぜか通訳さんもそのことをご存知で、 「彼は手巻きのボウタイが大好きで近いうちに必ず使用する!とおっしゃっています」と通訳したかしないかの間髪を入れない返答。 昨日今日、彼のインタビューはややふんぞり返って上から目線だったのだが、昨日今日と私に向けてくれた笑顔はまだ20歳なんだなあと思わせる無邪気な笑顔だった。 そして今日もマニアなお土産を渡し、親指を立ててまで更なる笑顔を頂いた。 ・・・ふとインタビューがめんどくさくて、ファンとの集いは好きなのかな?と思う(笑) 来年、浜離宮でのリサイタルが決定。 彼曰く、ここのところ、どこに行ったか覚えてないほどのコンサートイベント多数。 伸びしろの多い彼のことだから、本番経験が一層彼を成長させることだろう。 オンラインで彼のコンクールを応援する日が近いうちにきそうな気配。 次回2013年の演奏会がいまから楽しみでならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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