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営業マンの備忘録

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2012年11月14日
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カテゴリ:ピアノ
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いつも記載しているのだが、彼は違う生き物だ。肉食獣。
ケンカしても勝てっこない。
そして、芸術なんてくそくらえだ、俺がマツーエフだ覚えとけ、とでも言わんばかりのパフォーマンス。
これが多くの人から期待される彼のステージ。熱狂してやまない。
ゲルギエフと一緒じゃなかったら(違う指揮者だったら)、止められないだろう。もっと好き勝手やっていることだろう。
場内唖然のマツーエフ。
そして爪楊枝みたいな指揮棒で素晴らしいオケを巧みに操るゲルギエフ。
当夜もまた、最高の一夜となってしまった。2012年、贅沢な秋である。

2012年11月14日(水)19時開演 サントリーホール 2列目センター左
リャードフ:キキモラ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30 <デニス・マツーエフ(ピアノ)>
*チャイコフスキー:「四季」より10月
*グリーグ:ペールギュント第1組曲より「山の魔王の宮殿にて」
以上2曲ピアノのアンコール(ピアノ:デニス・マツーエフ)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調 作品47
*チャイコフスキー:「くるみ割り人形」から ”アダージョ”

1楽章から大屋根が揺れる。オケの強奏とそれを上回らんとするマツーエフの競演というより協演に思えた。
ゲルギエフではなかったらそうはいかなかっただろう。
力が入るところは息が荒れ、顔が赤くなる。
巨体ながら意外にもピアノに近い座席ポジションで鉄拳かと思いきや意外と柔らかい指、腕。
姿勢良くしっかりした上肢ながら、フォルテの箇所では頭を振り、腕をぶん回し、大屋根が再び揺れる。
車輪のストッパーがかろうじてピアノが動くことを止めている。
聴いていてもそうなのだが、見ていて飽きない(笑)
意外と気をつかう弱音にも注目だ。
カデンツァはゆっくり、ゆっくりとした大カデンツァを選択。遅めの入り。
後半も決して弾き急いで崩壊するようなことはなく、和音の跳躍は制御の範囲内、かつ暴走の一歩手前。
続く2楽章も燃え燃えで大屋根が揺らぎ、ためらうことなく3楽章。
何を書いても伝わらない、もしくは逆に想像できると思うので書かない。
クライマックスもオケの強奏を上回らんとするマツーエフの打鍵と頭、腕をぶん回す演奏スタイル。
場内、大騒ぎの大拍手となった。

こんな演奏なので当夜の聴衆は集中力ばっちり、とても静か。一緒に聴いていて同席できたことを嬉しく思った。
アンコールの10月は弱音美音を意識した素晴らしい演奏。彼はこういう曲がとても上手である。
そして、待ってました!!ギンズブルク編のグリーグ。
今まで聴いた中では一番理知的なぶっ壊れ方。もう弾きなれて聴衆の心をぶっ壊すツボも心得ている。
最後はピアノが4cm(目測)動いた!!
再び場内テンション最高潮。

はあ、ここで帰っても良かった・・・。
と思ったのはつかの間、再び濃厚なショスタコワールドが展開される。
マツーエフの余韻がありしばらく耳に入ってこなかったのだが、弦も木管もそして特筆すべき金管と打楽器。
最高にチューンされたオケにより、素晴らしい5番が展開された。
もう胸いっぱい、ヘトヘトで、少々耳と心を閉鎖。
それを強引に突き破ってきたのが4楽章。
いずれの箇所も期待を上回る音とテンションで耳だけではなく皮膚を通じて音を堪能するというド迫力。
圧巻のクライマックスは口が開いていた。打楽器、シンバルの万歳で場内が再び大喝采。

アンコールも素晴らしかった~
心揺さぶるチャイコフスキー。こんな演奏をできるオケ、本当に素晴らしい。

サイン会はルチア以上の大行列。
CDも売り切れだったそうで、当夜の熱狂ぶりが伝わるというものである。
今夜は寝れそうにない。心地良い疲れではない。人間が持つ全身の感覚を圧倒された疲労感。
そして、凄いものを見たあとにはどこか笑っちゃう、そんな気分である。





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最終更新日  2012年11月15日 00時44分57秒
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