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営業マンの備忘録

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2013年04月21日
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カテゴリ:ピアノ
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2011年の初リサイタルから2年。確か前回は震災直前のコンサート。
悲惨な自然災害も予想だにできなかった満面笑みの聴衆。そして紀尾井での過去最高レベル、長打の列となったサイン会。
反面、私の感想はちょっと辛口になってしまった。特に今でも記憶にあるのが、彼女の「粘質」。
ぶっ叩きの多い今夜のロシアンプログラムでは恐らく消えるだろう性質だが、若干の不安も残っていたのが事実。
特に今回は連日連戦の公演スケジュール。
先日、彼女のfacebookだったか。疲れてロビーで寝ている姿の写真がアップされていたのが記憶に新しい。
今とときめく彼女ではあるが、小柄な普通のかわいらしい女性ではないか。
もう少し、気の利いたスケジュールにして欲しかった。
そんな連戦の最終戦。サントリーホールでのソロリサイタル。

2013年4月21日(日)19時開演
サントリーホール1列センター左側

(前半)
スクリャービン/ピアノソナタ2番
プロコフィエフ/ピアノソナタ6番
(後半)
リーバーマン/ガーゴイルop.29
ラフマニノフ/ピアノソナタ2番
(アンコール)
シューベルト=リスト/糸を紡ぐグレートヒェン
ビゼー=ホロヴィッツ/カルメンの主題による変奏曲
グルック=ズガンバーティ/メロディ
プロコフィエフ/トッカータ
ショパン/ワルツop.64-2
ロッシーニ=ギンズブルグ/セビリアの理髪師~私は町の何でも屋

ロシアンの大曲をメインに据えたプログラム。
しかも黄金時代のように、第3部まで設けられた素晴らしいプログラム。
当夜、私の頭を支配した思いは以下の通り。
・音量の期待値というか理想的なダイナミックレンジが1~10だとすると彼女は2~7くらいか。物足りなさは否めない。
またハンマーで頭をぶっ叩かれたような一瞬の立ち上がりを必要とするプロコ6番ではここぞのフォルテが生ぬるい。
・幾重にも広がる音色の色彩が彼女からは感じられない。絵に例えるなら一枚の絵を同じ色でしか描いていないかのような。
和声が苦手、というか意識してないのか、かなり単調な中間音域。左右の手が奏でる音は決して立体交差せずあくまで2次元での表現。
特にはプロコの2楽章3楽章。うまく描けば見せ場が多いのだが眠たくなってしまった。
・いつもなら彼女のテクニックで畳み掛ける箇所(クライマックスなど)でも、疲れているのかスローテンポで終わること多数。

前半のスクリャービン。
2009年の前回、意外にも粘質系だっただけに出だしの澄んだ音色が嬉しい。
ただ彼女は意識しないと和声が単調になり、メリハリがつかないという。澄んだ音色が特徴のない音楽を紡いでいく。
2楽章は左手の低音バスを強調するのだがその分右手の旋律が埋没してしまい聴こえなくなってしまう。
しかしその左手はどんな難所でも一切ミスをせず、メリハリをつけて弾ききったのには脱帽。時に左利きなのでは?とさえ思ってしまった。
(サイン会は右手で書いていた)

プロコフィエフ、ラフマニノフとも共通。一発の爆発的な立ち上がりが必要なこれら楽曲だが、疲れなのだか体の表現からして汗をとばして表現しようというスタンスではなかった。
プロコ1楽章、ゆったりしたテンポでスタート。
盛り上がるにつけ拳を使った熱演なのだがメルニコフのパンチに比べるとやはり力が足りない。
中間部の連打&跳躍の箇所、右手の音がやはり足りずオドロオドロしさが伝わらないのが残念。
2,3は上記の通り。
4楽章のモールス信号連打、メルニコフは弦を心配するどころか鍵盤が吹っ飛ぶのではと冷や冷やしたのだが、ここら辺のボルテージはダイナミックレンジ6くらいで突き進むのみであった。
クライマックスも畳み掛けるわけではなく若干の間延びを感じるラストだった。

リーバーマン、これは残像が残る凄い演奏。
こういう演奏スタイルが彼女に似合っている。
ヴォロドスやランランがそうだが、似合った演奏スタイルがこういう超絶系ならば、それでいいと思う。
両者ともそこから音楽性を出そうと、シューベルトなどに手を出していたのだが、全く似合わない。
今しかできない表現。それがアクロバティックなものならそれでいいと思う。

ラフマニノフ。爆弾ソナタの異名を持ちながら、上記の通り爆弾が爆発せず。
とはいえ3楽章などは改定版のみならずホロヴィッツ版を採用し盛り上げる。
結構な爆音なのだが、ダイナミックレンジの移り(弱音から突如強音を出す箇所)にメリハリが無く、個人的には印象に薄いラフマとなってしまった。

アンコール。
彼女らしいてんこ盛りが嬉しい。そして一連の公演で一番多い曲数。
個人的にぐっときたのは、1曲目のシューベルト=リストの歌心と盛り上げ方。
時に歌いながら演奏している彼女だが、歌心を持っていると感じた。
そしてカルメンのアクロバット、前回同様1つめはイマイチなのだが、超加速をする2つめ、3つめ。当夜は3つ目が超速でたまげた。
グルック=ズガンバーティの歌いまわしも素晴らしく、意外と彼女はこういうストーリーを持った楽曲が得意なのではと思う。
トッカータはえぐい演奏をいくつも聴いているので上記の通りダイナミックレンジが足りない。
ショパンは美音を目指すもストレートではなくやや冗長。上記の通りストレートに歌う方が彼女に合うと感じる。
そして、オーラスのロッシーニ。
ここの前ではがら空きとなった楽屋の中が丸見え。
パイプ椅子に座るユジャ。衣装を直し行って来いと促すマネージャー(グッジョブ!)。
そして、いっちょやってやるかー!と左手を大きく回してから舞台に登場。
マツーエフのアンコールピースでもあったが、ユジャの演奏は流れるような女性的なロッシーニ。
解釈としては面白いと感じる。

そしてサイン会。長打の列。だが前回同様列の進みが速い。サインも速いのだ(笑)
超人気のユジャワン。ぜひスケジュールに余裕を持たせたリサイタルを組んでほしい。
背中に置き針をしているように見えた(丸いバンドエードみたいのを張っていた)。

※思いつきなのだが、あの高いヒールは体重が乗らないからやめた方がいいと思う。それだから熱演ができなかったのかな・・・、などと思った。
前半は右肩を出した黒のタイトミニ(語彙が少なくて恐縮だがターザンルック)。
後半は赤のタイトミニ。ラフマの最後はミニがずり上がって・・・という始末。はやりヒールが問題だな・・・。





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最終更新日  2013年04月22日 23時04分03秒
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