カテゴリ:日常
今年は『騒音』について、全く憑いていない。
先ず、3月頃から隣の義妹宅の改装工事が始まった為に騒音とそして人の出入りで落ち着かない毎日を過ごした。 ようやく工事が終わったのが6月末である。 妊娠がわかったのが3月下旬の事なので、正に私の妊娠と同時に騒音も始まった事になる。 夏を通り越し、秋になって私達の一階下の家が売りに出されることになった。 売りに出してもらっても全く構わないのだが、その後改装などされたら又うるさくなるなあと思っていた所、買い手が見つかった。 私達の丁度裏手のアパートに住むセビリア人家族が買い手である。 買い手が見つかったと言う噂が近所中に流れてからしばらく誰も階下に出入りをしていなかったので、『ああ、このまま引越してくるだけなんだ。よかった。』とほっとしていた。 出産まで後1ヶ月ちょっとで、今が丁度重く苦しい時期なので出来るだけ静かに休んでいたいと言う希望があった。 ところが、昨日の午後突如階下からものすごい騒音が聞こえ始めた。 この 「かーん!かーん!」「がーん!がーん!」「がががががががが!!!!」 と言う物音はすでに何度も聞きなれている壁を壊す音である。 アパートでは階下からの音がかなり響くと言うが正にその通りで、まるで自分の家を工事している様な近さでこれらの騒音は聞こえて来る。 それでも『今日は土曜日だし、我慢しよう。お互い様だ。』と昨日は工事が終わった夜まで騒音を我慢していた。 そして時は日曜日の今朝に移る。 実はいつもの様に午前様に起きてしまった私達は夜中に本を読みふけり、明け方になりようやく眠りについた。 通常日曜日の午前中は誰もが遅くまで眠りについており、とても静かである。 ところがその静けさを決定的に打ち破る騒音が9時少し前に響き始めた。 又しても階下の改装工事である。 今回は昨日の様に 「かーん!かーん!」 なんて言う生易しい音ではない。 ドリルを使って 「ががががが!だだだだだだ!!!でででででで!!ぎゅいーん!!どっしん!」 と言う耳をふさがずにはいられない騒音である。 結局私達は寝ていられずに起床をしたのだが、この騒音がお昼近くまで続くに連れ、私はイライラして来た。 ドイツに住んでいた頃はアパート内で『騒音を出して良い曜日と時間』が決められていた。 住民は規則正しくこの騒音時間を守っていた為、隣の人が果たして留守か、それとも在宅なのかの気配すら感じる事が少なかった。 逆に言うとテレビの音や音楽を聴く音ですら騒音を出してはいけない時間になる時には気を使って付けなくてはいけなかったので、自分の好きな事を大音量で楽しむ事が出来るイタリアの方がいいなあとドイツからイタリアに引越しをして来た頃、考えたことがある。 しかし、今日の私は断然にドイツの味方であった。 カトリック教の安息の日である日曜日には騒音を出してはいけない、日曜日は働いてはいけない曜日なので工事もしてはいけない、と言うドイツ的理論に基づき、お昼まで騒音を我慢した私はダーリンに訴えた。 「ねえ、階下の人に何で誰も文句を言わないんだろう?文句を言ってもいいんじゃない?」 すると彼は 「ははは!ここはドイツじゃなくてイタリアなんだよ?騒音はいくら出してもいいんだよ。」 と返答するではないか。 「安息の日曜日でも?」 と私が再び聞くと、 「日曜日でも時間関係なく騒音は出してもいいんだ」 とダーリンは言う。 そんな!その言葉を聞き途端に頭痛がして来た私である。 月曜日から金曜日まで朝から晩まで改築工事の騒音を聞かされ、尚且つ週末ですら自宅でのんびりする事が出来ないなんて!あまりにもひどすぎる。 こうなったら週末は外出していた方がまだましだが、今日の様に誰かを招待している時、また出産間近で外に出かける事が億劫な時は自宅にいる時間がどうしても長くなる。 午後になり騒音が続く中で、しきりにぶつぶつ文句を言う私を見てダーリンは苦笑をしていた。 他の住民はこの騒音について気にならないらしい。 まあイタリア人自身が常に『騒音(お喋り)』を出しているので彼らには慣れっこなのかも知れない。 一ヶ月程前に一番階下の高校生の男の子がバンドの練習を日曜日にしていた事があった。 往年のハードロック音楽を演奏していたので、それらの音楽が好きな私には気にならなかったのだが、どうやらこの音楽を『騒音』とみなした人がいるらしい。 2時間程経ち誰かが警察に通報し、バンドの練習は突如終わった。 音と言うのは人によって騒音と感じるか、また何も耳に入らないか違うらしい。 階下の改装工事の音は正に私に取って騒音に他ならない。 こうなったら出産前に一刻も早く工事を終えて、静かな時を返して欲しいと心から願う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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