私の友人にライフルを持っている野郎が4人いる。超望遠スコープを装備したゴルゴ達だ。
その銃を所持し、管理し、使用することは大変な苦労と留意が必要であり、お金も相当にかかる。しかし、友達が言うには「やめられない!」というのだ。
その理由はひとつ!単純に北海道の鹿肉が最高に美味しい!ということ。
札幌から道東まで寝ずに車を飛ばし。
ガタガタの冬の林道を苦労して踏破し。
そこに車を停めて雪の森に身を潜め。
とても機敏な鹿を見つけては逃げられ。
それでも諦めずに追いかけては撃つ。
しとめたとしても、解体がまっていて。
解体しても、それを背負って何キロもの森を何往復もする。私には出来ないし、凍死してしまいそうである。彼らハンターは、きっと人間の域を超えた異なった生物にも私は見えてしまうのだ。
鹿肉の中でも大型のエゾシカの肉は際立って美味しい。色々な料理法があるだろうが、私はタタキしか食べない。それが何より美味しいと思うからだ。彼らもそれが最高であると断言する。
鹿は農作物を荒らす。しかも近年には、その数が激増した。それは昔いたエゾオオカミもいないし、ヒグマも絶滅に近い。天敵がいないのだ。天然記念物の植物も鹿により打撃を深刻なまでに受けている。
そこで、駆除の許可が下りるわけだ。
私は北海道を旅すると、イヌやネコやキツネを見るよりも鹿に会う。禁猟区域の鹿はそれを知っていて逃げない。可愛いのだが数が多いことが分かる。
たまに本州へ遊びに行く事がある。私は必ず写真の肉を冷凍で持参して食べてもらう。
「泣く!」みんな泣く!おいしーーー!と。
タタキのルイベでいただくが、癖がなく、生姜とニンニクがマッチして口の中でとろける。
ヘルシーであり、鉄分やミネラルビタミンを多く含む人には「くすり」のような食物なのだ。うまい!どんな刺身よりうまい!もちろんだが、何よりも安全である。
それは大自然が創ったぐるめ。オオカミやヒグマに替わって私が食べるのである。この肉のロースとフィレはどんな宝物にまさる私のマテリアでもあり、食べた次の日には体調がすこぶるいいのだ。
今日の昼飯に食べたのが冒頭の写真でありました。
■今日のポエム■
今日は僕の朗読でお別れです。マイナス20度のなか、食を求めて森を貫くハンターの友へ。美味しさの感謝を込めて。
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「雪原の陽炎」 朗読スタート
雪 原 の 陽 炎
吹雪に目覚めても
身体がしばれても
温もりを想うから
わたしはほどかれる
息づける木々たちは
季節の通う道にある
氷に枝を折られても
蒼き若葉の春を知る
幾度も目覚めても
わたしは流されて
それでも泣きながら
あなたにほどかれる
縛られた恋たちも
いつか命を放たれる
儚き夢を削がれても
この永遠を思い知る
吹雪に目覚めても
身体がしばれても
あなたを想うから
わたしは生きられる
あなたと生きたから
わたしはむくわれる
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