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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2007年01月09日
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カテゴリ:戦争ゲーム

あけましておめでとうございました(汗)

今年も宜しくお願いします。(深々と礼)
ゆっくり正月を過ごすことができたので心機一転、頑張ります。

正月早々、兄が妹を殺してバラバラにするというとんでもない事件が発覚しました。巷の“専門家”たちがいろいろ分析しています。が、無駄だと思います。殺人に衝動はあっても理由などないのです。もし、殺人の理由をきちんと説明できるのなら、世の中、殺人だらけになります。嫌なことがあったら理由をつけて“殺せば”いいのです。そして、みんなが殺人犯になれば、殺人罪はなくなるのです。全員を死刑にできないでしょう?

“殺したい”というのと“殺す”のとはまったく次元が違います。

裁判で犯人を裁いても殺人事件は何も解決しません。裁判で分かるのはせいぜい“殺したい”という理由。そんな理由など“殺した”事実に対してはまったくの無力です。裁判は、ただ、臭いものを閉じ込めるゴミ箱のふたです。ふたがなかったら臭くてしょうがないでしょう。文明社会に生きる限り、ごみを減らすことはほとんど不可能なのです。ゴミがあふれるのは時間の問題かもしれません。

さて、御伽噺:第27話です。

加藤首相はとにかく人に会った。内容すべてを秘書以下のスタッフたちが記録し整理する。人に会うのが政治だと言うのが加藤の信念である。多くの人と会う中で、誠実な態度と秘密を守る態度の2つがしっかり維持できるよう自らを訓練しているのだ。

中国の駐日大使がやって来た。当選のお祝いである。60代半ばの中国紳士は日本語が上手だった。
「ご当選おめでとうございます。今後とも中日の関係がますます発展することを願っています」
「ありがとうございます。私も日中関係を最重要課題と考えております。いろいろお知恵を拝借したい」
 加藤はそう返すと、手を差し伸べた。大使は深々と頭を下げて手を握った。意外に柔らかい手だった。が、冷たい。

先日、沖縄共和国の首都、那覇で沖縄人と中国人の間で小さな乱闘騒ぎが起きたらしい。沖縄にいる日本の情報部員から詳細な報告が届いている。外国のジャーナリストからも報道されていて世界が知っている。
「沖縄の件ですが…」
 加藤は切り出した。大使は身を硬くした。実は、中国が沖縄政府に対して対潜哨戒機や潜水艦の増強を強要したため、沖縄人の反発を買っていたのだ。そんな状況の中、沖縄で働く中国人が沖縄は中国のものだ、と、騒いだことが問題となった。小競り合いは全土に広がりつつある。
「事態は収拾されていないようですが、わが国にできることがあればご協力しましょう」
 沖縄の独立を認めない日本人も多い中、加藤は現実を認めていた。沖縄は中国の属国である、と。そして、遅かれ早かれ、中国は沖縄で失敗するだろう、と。
「ご心配をおかけしております」
 大使は頭を下げた。そして、
「あくまでも沖縄は独立国家であるというのがわが国の認識です。内政不干渉がわが国の基本的方針です」
 と、言った。加藤はうなずくと、続けて言った。
「沖縄政府から、貴国に治安部隊派遣要請が出ていると報道されています。事実ですか?」
 大使は何度も首を振った。そして、答えた。
「私は承知しておりません。本国に問い合わせております。が、沖縄政府が正式にわが国に要請しているのなら協力するのは当然だと思います」

沖縄が独立した直後から、沖縄で暮らす中国人の一部は沖縄人に対して差別意識を露骨にあらわし始めた。最初は盛り場で自分たちだけではしゃぐ程度だったが、次第に、沖縄人とトラブルを起こすようになってきた。傍若無人な振る舞いをする中国人が目立つようになってきたのだ。どうも、中国人は公共心が未成熟のようだった。

先に軍事侵攻した朝鮮半島でも中国人は朝鮮人とトラブルを起こしている。
小さな暴動があちらこちらで発生している。皮肉なことに暴動を起こしている中心は、中国が援助をし多少食えるようになった北朝鮮の民衆だった。飢える心配がなくなったことで、民族自決の心に火がついたのである。

中国はこれに対して武力でしか立ち向かう術を持たなかった。結果は虐殺である。憎しみの連鎖が始まった。中国は必死に報道管制を敷き、虐殺の事実が外部に漏れることを防いだ。が、どうしてもうわさは防ぎきれない。その原因が中国の一人っ子政策である。

中国の軍人の多くが一人っ子だった。人民解放軍の実態は共産党の私物化された軍隊である。実は国内の治安維持用に編成されてあって、外国に遠征できるような力はない。それが、朝鮮半島で泥沼の治安維持戦闘に巻き込まれてしまった。当然、死傷者が出る。一人っ子政策で、軍人にも一人っ子は多い。そのたった一人の息子や娘を失った親たちが黙ってはいなかった。うわさは広がっていく。もはや中途半端な戦闘では埒が明かない状況まで追い込まれていった。

そんな中で沖縄にも暴動の火種がくすぶり出しているのだ。中国の指導者たちは頭を抱え出した。

加藤は総理大臣になって、多忙な日々を送っているが、小説家や評論家として以前からテレビに出ていたのでその印象を最大限に利用していた。

「私はいつも6割主義です」

加藤の口癖だ。満点を目指さない。全力を尽くすなどと言うことを軽々しく言わないのである。数少ない野党もどうにも批判のやりにくい相手だった。

「家に帰ってからゆっくり考えてみます」

北朝鮮における暴動・虐殺のうわさについて質問されたときの答えである。普通ならふざけるなと激怒され、マスコミに叩かれるはずだが、加藤のキャラクターがそれをひっくり返す。むしろ好感を持たれた。必死になって狂ってどうする、ゆとりがなくなるだけじゃないか、と、加藤は大真面目に話していた。

が、首相官邸に戻った加藤は官房長官にこっそり言った。

「中国が沖縄と北朝鮮で虐殺を始めてくれればそれはこちらにとって有利だ。滅多なことで救援しようなどと考えないことだ」

 官房長官はうなずいた。気の毒だが、北朝鮮と沖縄の人々には犠牲になってもらう。そして、中国の政情不安定を誘うのである。


そんなとき、沖縄で大爆発が起きた。





続く。









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最終更新日  2007年01月09日 10時12分40秒
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