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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2007年01月15日
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カテゴリ:戦争ゲーム

御伽噺:第31話です。

1月17日、韓国軍は陸海空3軍の全力を挙げて、38度線を突破し、北朝鮮領内になだれ込んだ。北朝鮮軍の抵抗はほとんどなく、また、中国の人民解放軍の動きも鈍かった。韓国軍は朝鮮同胞を救援すると言う名目だったが、実質的にもそうだった。軍を派遣、治安維持活動をしながら、補給物資の輸送ルートを構成していく。そのルートに乗って、韓国や日本からの食料・衣料・薬などの救援物資が迅速に運び込まれた。

圧巻なのが占領政策である。輸送ルートに沿って、韓国の銀行と企業がいっせいに社員たちを北朝鮮に送り込んだ。まず、銀行が臨時の支店を開いた。北朝鮮の民衆に一人当たり10万ウオンが記帳された通帳を無償で配り、希望者には無金利で融資をした。手続きは簡単だが、写真のほか静脈認証のデータが取られた。民衆はすぐに臨時のATMから登録したばかりの静脈認証を使って現金を引き出す。そこへ、コンビニエンスストアを中心にした臨時のマーケットが待っていた。現金を握り締めた民衆は先を争ってショッピングを始めた。また、彼らの中から、希望者を臨時の社員として現地雇用し始めた。もともと同一言語で民族的な同胞意識も強かったから、事はスムースに運んだ。

この電撃的な経済侵攻によって、血を流さず、北朝鮮の民衆を即席で韓国民に仕立てあげていく。

韓国陸軍はソウルから一直線にピョンヤンに侵攻した。1月22日までに、中国の傀儡政権であった北朝鮮政府はあっさりピョンヤンを放棄した。その間に、韓国政府は北京に人民解放軍の撤退を促した。戦闘を回避するためである。そして、韓国による朝鮮統一を認めるように働きかけた。

韓国大統領が中国の国家主席と電話で会談した。

韓国大統領が言った。
「朝鮮半島は朝鮮民族のものです。中国の軍隊は撤退していただきたい」

「韓国政府による朝鮮半島の自治は認めますが、中国の半島領有宣言は撤回しません。朝鮮半島は中国の領土であり、朝鮮は中国の中の一自治区です」

 国家主席はきっぱりと言った。韓国大統領は血の逆流する思いで反論する。
「歴史的に見ても、朝鮮は中国から完全に独立した歴史を持っています。貴国とは今後とも友好関係を続けていきたい。また、安全保障のための軍事協定も改めて結びたい。ですが、貴国の軍隊をわが国内にとどめておくことはできません」

 韓国大統領の自信に満ちた声に対して、国家主席は声を低くした。
「大統領。わが国は東アジア全体の平和に責任があります。それゆえの朝鮮半島領有宣言です。貴国がそれを受け入れ、わが中国に併合されれば、両国民は1000年にわたる平和と繁栄を享受できます。半島統一後、直ちに武装解除に応じていただきたい。もし、応じていただかなければ、われわれは重大な軍事力の行使を決断しなければならないでしょう。そのような不幸な決断はしたくありません。その証と言っては何ですが、人質として、人民解放軍は現在地に維持させます。もちろん、貴国との交戦の意思はありません。わが国としても朝鮮民族との平和共存を強く願っています」

 国家主席の言葉を聞いて、韓国大統領は“ぬけぬけと何を言いやがる”と、心の中で吐き捨てた。やはり、中国は“重大な軍事力”である核を脅しに使ってきた。領土的野心を露骨に表し、一切の妥協は許さない。核を撃つと脅しながら、人民解放軍を人質に差し出すとうそぶき、朝鮮半島内に置きとどめる。なんという厚かましい連中だろう。いざとなれば同胞ごと丸焼きにするつもりかもしれない。人命軽視の中国ならやりかねない。現に沖縄では核を爆発させたのだ。直接の人命の損失はほとんどなかったが、残留放射能の被害はいずれ顕在化するだろう。

 大統領としては日本の核を利用するつもりでいる。それには時間を稼がなければいけなかった。うそを並べても中国の核暴発だけは防がなければならない。幸い、人民解放軍との武力衝突の危険だけは避けられそうである。

「わかりました。基本的に東アジアの平和と繁栄には賛成です。かつての日本のように軍事力を放棄し、アメリカに国防を肩代わりさせたように、朝鮮半島を非武装化する方向で武装解除に応じる可能性を検討したい」
 韓国大統領は言った。いずれ、貴様たちの北京を分捕っていやる、と言う決意の裏返しである。本当の戦いはこれからなのだ。

中国をだましつつ、朝鮮半島の実権を握り、日本を利用して北京を撃つ。これが韓国大統領の戦略だった。

そのころ日本の自衛隊の特殊部隊が、北朝鮮の軍港である清津(チョンジン)市に向かっていた。



続く。









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最終更新日  2007年01月15日 14時52分59秒
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