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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2007年09月06日
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カテゴリ:戦争ゲーム

御伽噺第180話です。

6人の天皇たちは床に地図を広げると美雪に対して口々に説明を始めた。

「この地図は風水でも用いられる龍のエネルギーの流れを示しています」
「サトヤマシステムの設計図のようなものです」
「どこにどのようなことをすればいいか、これで計画を立てます」
「エネルギーが溜まりすぎれば発散するための方針を決めます」
「前のメガ・ストームもこれを活かしてロシア軍を撃退しました」
「嵐だけではなく、灼熱地獄や冬将軍、虫の大量発生など様々な自然災害に形を変えてエネルギーを発散させます」
「そして、再び開墾からやり直すのです」

美雪はたたみ6畳ほどもある地図の美しさに思わず見とれた。すさまじい文明である。今まで自分が経験してきた化石燃料の文明とまったく異質のものだった。生産と破壊、共存と崩壊、そして、生と死が上手く循環している。

「あなたにはここに行ってもらう」
 ひとりの天皇が細長い棒で中国の内陸部をトンと叩いた。南京からは2000キロは離れているだろうか。
「ここのサトヤマを開拓してもらう。期限は3年間だ」
「その後、南京に戻ってもらう」

つまり、流刑と言うことか、と、美雪は理解した。しかし、沈黙を続けた。天皇たちは構わず話し続ける。

「ここのサトヤマを開拓し、ここ一帯を豊かな水田地帯に変えます」
「見たら分かると思うが、龍のエネルギーの線がここを中心に渦を巻いているだろう」
「そういう場所は空気と水と土の流れが豊かになっている。だから、チャンスなんだ」

美雪は落ち着いている。もちろん、いつ殺されるかわからないという覚悟はあった。だが、6人の天皇の様子を見ているとそれがどんどん薄れ、安堵感が満ちてくる。今まで感じたことのない感覚だった。美雪は給仕係りの女性に促されて部屋を出た。そのまま、中庭に連れて行かれた。輸送ヘリコプターが止まっていた。国旗のマークはロシアだ。鹵獲したのだろう。美雪は内心ほくそえんだ。自分の技なら簡単にヘリコプターを奪取し逃げ出すことが出来る。

そう思って乗り込むと驚いた。乗っているのは10歳前後の子どもたちばかりだった。ニコニコしながら美雪を見ている。ひとりが手を差し伸べた。思わず美雪はその手を握り返した。そのとたん、急に眠気が襲ってきた。

やられた、と思った。だが、そのまま美雪は深い眠りに落ちていった。



続く。










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最終更新日  2007年09月06日 17時07分28秒
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