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倖和(サチナゴム)の妄想小説・・・

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2008年02月05日
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カテゴリ:戦争ゲーム
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↑ちょっと気合いが入ってきました。がんばります!

大国アメリカが没落した後の世界を想像しています……
その御伽噺第266話です。

「機関停止、無音潜航」
 天皇が号令する。

加藤は周りを見回した。室内に例の元自衛隊の潜水艦長だった橘一郎はいない。ラボに入ったまま飛行石でも守っているのだろうか。天皇よりもベテランの橘が指揮を執った方がいいのではないか、と、加藤は思った。

「最後に敵の反応のあった地点はどこか」
「ここです、深度は280メートルでした」
 チャート台に歩み寄った天皇の問いに副長らしき若い士官が指で押さえながら答える。
「敵は我々の動きを推測して無音で沈降してくるだろうな」
 と、天皇はいった。それからストップウオッチを取り出した。相手の動きを予測しようとしているのだ。潜水艦は惰性で前へ進んでいる。天皇は自分の頭の中に三次元の空間を再現してその中で自分の潜水艦と敵の潜水艦を動かしている。

「よし」
 と、天皇がストップウオッチのボタンを押した。
「前進3分の1」
「前進3分の1、よし」
「面舵、コース095」
「面舵、コース095、よし」
 天皇の号令に従い、担当士官が復唱する。それを下士官たちが実際に操作して実に整然とした運用である。彼らは天皇の元で相当訓練を積んだようである。あの多忙な天皇がいつ海軍で訓練をしたのだろうか。それとも、これも天皇家の秘術の一つなのだろうか。

加藤はいつ天皇から魚雷発射の号令がくるのだろうと、のどの渇きを覚えながら待っていた。できれば「高速スクリュー音接近」「回避行動!」などという号令は聞きたくない。先手を打ってほしかった。

が、天皇の号令は違った。
「潜水ポッド、発進用意。チーム“昇竜”完全武装で搭乗せよ。指揮官は橘大佐」

「橘大佐って彼ですか」
 と、思わず加藤がきいた。天皇は黙ってうなずく。

潜水ポッドは橘一郎指揮のもと、特殊部隊の7名を乗せて、ほどなく潜水艦を離れていった。



続く。












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最終更新日  2008年02月06日 09時08分22秒
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