二代目のお嫁さんなり

数年前、取引先が倒産した。
社長が自己破産したという通知が、弁護士事務所から届いたのは、
Ａ邸の住宅が完成してお引渡しとなった翌日のことだった。
前日、にこやかにお引渡しの場に現れた社長。この時、すでに自己破産が決まっていて
集まった業者が借金を背負うことに何とも思ってなかったわけだ。
完成まで、黙って黙って、お引渡しした途端自己破産する計画だったわけだ。

ここのお宅の代金はもちろんもらっていない。
その他に、まだ未払いのものがあってうちにとってこのお金が回収できなかったのは
かなり大きな痛手だったのだけれど。
社長の財産をすべて処分し、うちの債権として弁護士から渡されたのは、わずかなお金。
異議申し立てをしても時間と経費の無駄と思い、いろんな想いをみんながグッと飲み込んで
ナットクいかないけれど、あきらめる形で解決したことにしたのだ。

自己破産ってものすごい迷惑。
見通しの甘さのツケがこうなってるのに、自己破産したらみんなおしまいなんてズルイ。
これを手助けして、その分の稼ぎはちゃんともらう弁護士もズルイ。
そのお金は、ホントは私たち業者のところに回る予定のお金だったのに。

自己破産したけど、当の社長の生活はなーーーんにも変わらなかった。
のほほーんとしてて、子供はバレエとサッカー習ってて、スーパーで会った奥さんの買い物かごは
うちでは買わない、いや、買えないようなものが山積みで入っていた。
えっ、こんなものを、こんだけ買えるのかよ･･･ってその現実に愕然とした。

こいつらのおかげで給料が下がってキューキューの生活してんのに、
こいつらは全く変わらず、こんなもの買ってるのか、って涙が出そうになった。

しかも社長本人は、趣味のラジコンで遊びまくり。飲み屋に出没。
仲間うちには「会社を一つ、つぶしちゃったぜ、あっはっは～」と言ってた。

自己破産までにはものすごい葛藤もあっただろうし、頭を悩ませたんだろうとは思う。
その後の生活も不安に思ってただろうし。
でも、実際は自己破産して仕事がなくなっても暮らしていける分はちゃーんととってあって
それもつつましやかな暮らしじゃなく、派手なままの暮らしにはたまげたよ。
自己破産したことをどうこうっていうんじゃなくて、
周りに迷惑かけて申し訳ないと全く思ってないところにものすごい頭にきて、
いつかぶっとばしたい、と思っていたんだけど。

コイツがまた同じ業界で仕事を始めた。
県の建設業許可番号から、去年申請したんだというのも分かった。
なんで、コイツに許可が出たんだと不思議でならないけど、世の中抜け道はいっぱいあるから。

で、派手に動きはじめてる。
会社を立ち上げ、そのHPを見たら、ブログでここ最近の仕事、今やってる仕事、
そしてプライベートが書いてある。子供は成人して東京へ。
その子の一人暮らしのために家電量販店で一人暮らしセット買いました～。とか
息子の所へ行ってきました～。とか。そんなことがヘラヘラ書いてある。

去年手がけた仕事は居酒屋だったらしいけど、
そのために、毎晩毎晩、あちこちの居酒屋に飲みに行って研究しました～、だって。
飲んだくれてただけだろうが。バカチンが。

基本、人とは仲良くやっていきたい私。
ケンカはしたくない。

でも。
コイツだけはいつか、絶対。
スリッパで頭ひっぱたいてやる！　と密かに思ってる。

もちろん、そんなことしたら私の負け。
分かってるんだけどね～～。

分かっていても許せない。
私もまだまだお子ちゃまですな。

ひろとんくん。すまん。
更新楽しみにしてる～～ってコメントすっごい嬉しかったんだけど。
くっっっっだらないこと書いちゃった～～！