カテゴリ:旅行
市内に滞在しノシャップへ
稚内市内と宗谷岬の中間にあったペンションを朝出る前に、 実はひと騒動あったのです。 オーストラリアから一人で来られた女性が支払いで困っていました。 クレジットカードが使えず日本円もほとんど持っていなかったのです。 ネットで予約した際にクレジットカードでの決済ができないとあったのですが、 ネット上での決済がカードでできなくても現地で使えると思ったと言います。 ペンションのオーナーも困ってしまっていました。 どこのサイトから予約したのか聞いてまずその会社に電話しました。 彼女のPCにそのページを出してみると確かにわかりにくい表現です。 応答してくれた人にさんざん文句を言って 「不明瞭な表記をしたのだからおたくの会社がこのペンションに支払って、 後からベスさんに請求しなさいよ」と言ったのですがダメ。 仕方なく私が立替払いをして出発したのでした。 泣き出してしまったベスさんの旅行を台無しにしたくありませんでしたから。 そんなこんなで一緒に宗谷岬へ。 とても素敵な写真を撮る方でした。 観光が終わって一緒に稚内市内に入りました。 宿泊先を聞くとなんと同じビジネスホテルでした。 お金の話の顛末は長くなるので、ちゃんと返してもらったことだけをお伝えします。 キャッシュを持たずに旅をする人が多い欧米人には何度か出会いましたが、 今回はコンビニはおろか銀行や郵便局でもお金を引き出せなかったので難渋しました。 一件落着したところでそれぞれのしたいことをするために別れました。 メルアドを交換してホテルにチェックインしたら連絡し会う約束をして。 さて、15時まではかなり時間がありました。 稚内駅周辺は観光シーズンなのに人通りも少なく寂しい感じです。 小雨交じりの曇天の上にここまで人がいないと不思議な気分にすらなりました。 氷雪の門のある稚内公園まで歩こうかとも思ったのですが、 路線バスを利用してノシャップ岬へ行くことにしました。 10分位でノシャップというバス停で降りました。 ここがまた風がふきすさんで人っ気もなく、 小さな看板の矢印が岬の方角を示しているだけでした。 歩いて数分寂しいノシャップ岬に到着です。 来る道すがらに人気のなさそうな土産物屋や食堂がありました。 岬の手前の駐車場のところの観光センターは普通の感じでしたが、 中に入って見ると客は私を除いてカップルと親子連れのみという侘しさです。 天気のせいもあるのか段々気分も落ちてきてため息が出そうでした。 晴れた日の夕方にはきっとたくさんの人が、 あの可愛らしいイルカの前で北限の雄大な日没を記念に収めるのでしょうが。 強風に髪をなぶられながらくすんだ色の海を眺めて落ち込みそうな気分をなだめました。 バイクが何台かついたような音がしたので振り返ると灯台が見えました。 赤と白に塗られていると火力発電所かゴミ焼却場の煙突のようで、 これでもまた気持ちが削がれてしまい本当にため息をついてしまいました。 隣には水族館があるようです。 行ってみると「ノシャップ寒流水族館」「稚内青少年科学館」でした。 生き物がオリや水槽に閉じ込められているのを見るのはあまり好きではないのですが、 せっかくここまできたので日本最北の水族館に入ることにしました。 入り口でチケットを買っていると「ゥオッ、ゥオッ」っと声が聞こえます。 アザラシでした。 館内に入る手前にアザラシのプールがあり、反対側にはペンギンもいました。 アザラシたちは見学者が魚の入ったお椀を買って近付くと一斉に寄ってきました。 いえ、一頭近寄れない子がいます。 その子が鳴いていたのでした。 仲間はずれなのかいじめなのかわかりませんが、 魚をもらえるポジションに行くことができず鳴いて訴えているようです。 気づいた人がその子の方に行くと、 他のアザラシが飛んできてその子を外側に追いやっていました。 なんだかうそ寒い天気と賑わいのない観光地で萎えそうになっていた気持ちが、 また一層冷え込んで行くようでした。 中に入ってみると魚の展示はそこそこ充実していました。 大きな回遊水槽にはイトウやオオカミウオもいて迫力があります。 クリオネもいました。 120種類、1300点飼育展示している水族館の隣が青少年科学館でした。 なんとプラネタリウムがあるではありませんか! 折しもペルセウス流星群が極大を迎える頃なのでその解説もあるようです。 心がキラッと光ったように嬉しくなったのですが⋯ もう始まっていてなかには入れません。 ついていない時ってこんなものなのですね。 即即諦めて展示場内へ入って行きました。 環境展示コーナーは再生可能エネルギーなどの展示がわかりやすく、 小学生くらいの子供たちが参加型のコーナーで遊びながら学習していました。 南極展示コーナーもなかなか良かったです。 南極の氷に触ってきました。 歴代の南極観測船の模型や、南極観測初期の展示物もあったのですが、 何と言っても樺太犬のタロとジロの話には胸を打たれました。 そろそろチェックインできる時間が近づいてきました。 帰りのバス停がわからなかったので入り口の女性に聞くと 「きた道を戻ってバスの通る道に出たら右に行ってください。 すぐに小屋があるバス停があります」と教えてくれました。 その通りに右に行ったのですが、バス停はありません。 しばらく行くと右側にバス停があったのでそこで待つことにしました。 10分、15分と時間は過ぎて行きました。 遠くまで見通しのきく道なのですがバスの影すら見えません。 来るとき乗ってきた方向からバスが来たので運転手さんに聞くと、 右ではなくて左に行くべきだったということがわかりました。 気分の冴えない時というのはこういうものなのですね。 ブツブツ言いながらバス停2つ分歩いてノシャップのバス停へ。 「なんだよ!降りたバス停じゃないの!?」と力が抜ける思いでした。 駅までバスで戻るとホテルはすぐそこです。 チェックインを済ませ荷物を置いてホッと一息。 最上階には露天風呂もある温泉があったので夕食前に浸かって気分転換です。 女性用の露天風呂からは海は見えませんでしたが体を伸ばしくつろげました。 お風呂から上がってメールを見るとベスさんからのメールが来ていました。 夕食を一緒にとのお誘いです。 彼女はクラウンプラザホテルがいいと言っていたのですが、 せっかくなので西洋料理ではなく郷土料理の店に行くことにしました。 竹ちゃんというお店に行ったのですが、どこから湧いて来たのでしょう?と思うほど 人がいっぱいで30分以上待たされました。 席についてベスさんのセンチメンタルジャーニーの話を聞き、 私も計画性のない北限の旅のことなど話してひと時を過ごしました。 そうそう、この後の計画のことを話すつもりでしたがこの次に。 訳あってあと2泊しなければいけなくなってしまったのでw。 そのいきさつとハラハラの宿取りの模様を書いてみようと思います。 読んでいただいてありがとうございました。 ランキングに参加しています。応援してくださいね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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