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「彼岸(ひがん)」とは、日本の「雑節」の一つで 「お彼岸」とも呼ばれる。仏教に由来する行事とされ、 3月の「春の彼岸」と9月の「秋の彼岸」がある。 彼岸は、二十四節気の「春分(3月20日頃)」と 「秋分(9月23日頃)」を中日(ちゅうにち)とし、 前後各3日を合わせた各7日間であり、1年で計14日ある。 この期間に行う仏教の行事を「彼岸会(ひがんえ)」と呼び、 一般的にはこの期間に「お墓参り」をする。 彼岸の最初の日を「彼岸入り」や「お彼岸の入り」、 最後の日を「彼岸明け」や「お彼岸の明け」などと 呼ぶ。なお、中日の「春分」は「春分の日」 「秋分」は「秋分の日」として国民の祝日となっている。 俗に、中日は先祖に感謝する日とされ、残る6日は、 悟りの境地に達するために必要な6つの修行徳目 「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を1日に1つずつ修める日とされている。 彼岸は仏教行事に由来するとされるが、 彼岸の行事は日本独自のものであり、 インドや中国の仏教にはない 歴史的には、806年(延暦25年)に日本で初めて仏教 行事としての彼岸会が行われた。 民俗学では、彼岸は元は日本古来の土俗的な 太陽信仰や祖霊信仰が起源だろうと推定されている。 民俗学者・五来重(ごらい しげる、1908~1993年)は 「彼岸」という言葉の由来について、 豊作を太陽に祈願する太陽信仰の言葉「日の願い」から 「日願(ひがん)」となり、後に仏教用語の「彼岸」と 結び付いたと説いている。 日本では彼岸に供え物として、もち米とあんこを 使用した「ぼた餅」や「おはぎ」と 呼ばれる食べ物が作られ、食される。これらの名前は 、彼岸の頃に咲く花である春の牡丹(ぼたん)と 秋の萩(はぎ)に由来すると言われる。 日本の気候を表す慣用句に「暑さ寒さも彼岸まで」と いう言葉がある。これは「冬の寒さ(残寒)や 夏の暑さ(残暑)は彼岸の頃まで続き、彼岸を過ぎると 和らぎ、凌ぎやすくなる」という意味である。 彼岸に由来する花として「ヒガンバナ(彼岸花)」がある。 ヒガンバナは、ヒガンバナ科の多年草で、鮮やかな赤い花を咲かせる。 地下の球根には強い毒性がある有毒植物であるが、 かつては飢饉(ききん)や災害の際に食べる救荒作物として 球根のデンプンを毒抜きして食べていた。 ヒガンバナの名前は、秋の彼岸の頃に、 突然に花茎(かけい)を伸ばして鮮やかな赤色の花が 開花することに由来する。その他の由来として、 これを食べた後は「彼岸(死)」しかない、という説もある。 また、彼岸に由来する花として「ヒガンザクラ(彼岸桜)」もある。 ヒガンザクラは、バラ科の落葉小高木で、本州中部以西に多く 観賞用として庭などに植えられる。 ヒガンザクラの名前は、春の彼岸の頃に花を咲かせることに由来する。 各地のサクラの開花・満開を判断する標本木(ひょうほんぼく)の 「ソメイヨシノ(染井吉野)」より少し早く開花するのが特徴である。
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最終更新日
2021年03月17日 07時53分37秒
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