天保異聞妖奇士の第14話を見ました。
説十四 胡蝶舞
江戸の吉原で遊女が何者かに殺害されるという事件が起きた。
アトルが酔っ払ってフラフラの元閥とアビも連れてきて歩いていると、遊女の遺体を目にする。
そして、元閥は遺体の傷が変なことに気づく。
「刀傷にしちゃ妙ですね。普通、刀はこう身体の端から入ります。こんな傷、1度突き刺してそのまま真っ直ぐ斬るかしないとできやしない。だけど、そんな斬り方…」
「いや、1つ方法がある」
「腑分けだ」
一方、放三郎は鳥居の留守の間に本庄達に真の目的を問い詰めようとしていた。
だが反対に馬の妖夷と異人の娘を匿っていると突かれてしまう。
そして、本庄達はアトルを捕まえる手を思いついたようだった。
狂斎はアトルと一緒に夕焼けを見ていた。
「いい赤だ。どんな絵の具でもこの赤は出せねえな。だけどな、もっと濃い、もっとすげぇ赤い風景を見たことがある」
「赤い…風景…!?」
「やっぱりな、お前も知っているんじゃないかと思ったんだ」
「異界…」
「異界?」
「往壓はそう呼んでいる」
「そいつは…」
誰が男芸者だと宰蔵の怒鳴る声が聞こえてくる。
そして、アトルと狂斎のいる部屋に往壓が入ってくる。
狂斎は往壓に異界の話をしてくれと言う。
遊女殺しの容疑者として狂斎の名があがり、仲間と疑われたアトル共々捕えられる
狂斎は亀と間違い、生首を川で拾ってきて持ち帰り絵を描いたり、喧嘩や火事の場に現れてその様子を描くという妙な癖があり、今度は人の腹の中を描きたくなったのではないかと推測されているようです。
同じ頃、狂斎はアトルに亀を拾おうと川に入った時に足をとられて川の底へ引き摺られたそうで、もう1度それを見たくて持ち帰ったそうです。
「あそこに行きたいのか?」
「どうしてそう思うんだ?」
「さぁな、何だかそんな目をしているからさ。ここじゃねえ、どこか全く別のどこかへ行っちまいたいって。行くなよ、あそこが地獄だか極楽だか知らねえが、ここにも楽しいものはいくらでもあるんだぜ」
「そうは思えない。ここにいる女の人達は金が買われてきて、男の相手をさせられる。この街は檻に囲まれ、勝手に出ることはできない」
「だが、女達はどんな相手でもしなきゃいけないってわけじゃねえ。花魁にもなれば相手をする男は自分で選べることだってできる。外じゃ手に取ることもできねえような着物や簪を身につけ、高ぇ酒や料理も客持ちでたらふく食える。それにな、任期明けは二十七だ。どんな女でも二十八になれば大手を振ってここから出て行けるんだよ。貧しい中で行き倒れる百姓娘や一生下働きで終わる娘、そんな奴らに比べたらここは極楽だ。お前だってここなら夢のような暮らしができる」
「不思議だ…あなたの言葉を聞いていると何だか信じてみたい気持ちに」
部屋を覗き込んでいた宰蔵が真っ赤になっています。
中に入ろうとする往壓を宰蔵は止める。
往壓と火付盗賊改が喧嘩みたいになっています。
アトルは驚き、狂斎に抱きつく。
子どもが何をしていると往壓に言われると、顔を赤らめて気絶してしまうアトル。
そこで、新たに殺人事件が発生する。
狂斎はこの殺人事件が起こった時には往壓らの目と鼻の先にいたので無罪となる。
見つかった遊女の遺体を見て、狂斎はあることに気づく。
発見された遊女の遺体には蝶の彫り物が消えているという共通点があったのだ。
「全く同じ彫り物だったから覚えている。良い彫り師が出入りしているんだなと思っていたが」
「しかし、さっきの女の身体に彫り物の痕などなかったぞ」
「遊女は男の名前を腕に彫り、男と別れると線香で焼くという…」
「ああ、酷い火傷が残るけどな。だけど、それもなかった」
「じゃあ、蝶の彫り物はどこに?」
次回、「羅生門河岸の女」
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