「エコーズ」
「シックス・センス」と同じ年に全米公開されていたものの、内容的にかぶる部分が多かったせいで、日本での公開は2,3年前だったそうです。ケヴィン・ベーコンが出てたので、もし作品がつまらなくても彼のあのなんともドナルドダック的な奇妙な濃さを見ていれば楽しめるだろう、と思って借りたら、これまたけっこういい映画でした。かつてホラー映画では、ホラーな事件をきっかけに家族が崩壊していったり、元々崩壊してるっぽい家庭にホラーな事件が起きるというなんとも言えずダークな設定がよく見られた気がするんですが、本作の家族の絆は揺るぎませんでした。それがとっても美しいなぁ、と思いました。ホーム・パーティの座興で、妻の妹に催眠術をかけられた主人公(ちなみに義妹は催眠術関係のプロではないw)が、そのときにかけられた暗示(「もっと視界を広く持て」)によって、死者からのメッセージを受け取れるようになる、という設定も、いかがわしさがあって作品の雰囲気(てゆーかケヴィン・ベーコン?)にあってました。義妹はいくぶん攻撃的な性格をしている主人公に対し、「もっと視界を広く持て」と暗示をかけるわけなんですが、それで幽霊を見ちゃうようになる、というのが、なんともステキな設定だと思います。こんなふうに微妙に笑えるシーンがけっこう多くて、そういう意味でも楽しめました。残虐シーンは皆無といっていいのですが、爪がはがれるシーンがあって、個人的には一番苦手な残虐シーンなので、思い出すと今でもみぞおちのあたりがむずむずします。