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栃木の仙人 古本と温泉の日記

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2011年09月30日
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カテゴリ:政治

 本日の歌

『エイトマンの歌』(克美しげる)

アニメソングの古典的名曲。克美しげるの歌うバージョンがとりわけすばらしい。

さて本題

スカイパーフェクTVのマニアックな政治的解説番組は、録画して、仕事の終了した深夜帯に見ることにしています。

ソニーのウオークマンに転送して移動中の新幹線のなかで見ることもある。

西部遇の「学問のすすめ」もそういったお気に入りの番組の一つなのですが、何回目かで佐藤優氏の「国家の罠」を取りあげていた。

結論から言うと酷評という感じなのですが、私は西部氏の意見には違和感を感じます。元ブンド(共産主義者同盟)の活動家西部氏が、若き日、獄中で完黙を貫いたというのは、一応の武勇伝かもしれないが、西部氏と佐藤氏とでは全く立場が違う。

一方は自由な立場の、当時はブンドの活動家。逮捕されたからと言って銃殺される訳でもない

何でも言える。

逆に何もしゃべらない自由もある。

一方は外務省の職員として、(当時は)国家から給料をもらう立場。

拘束があり、公務員の守秘義務もあり、なおかつ立場上国家の機密情報に精通している。

しゃべる自由もなく、ーー権利としてならともかくーーー実務上は完黙つまりしゃべらない自由もない

というのは、佐藤氏がもし完黙を貫けば、捜査権力の取り調べは、彼の上司とか部下に波及する可能性があった。

それぞれに個人の運命と家族の生活がかかっており、さらに大勢の人たちを巻き込む危険性すらあった。

日本国のために全身全霊を捧げ、全てをーー家庭生活までもーー犠牲にしてきた人間が、その忠義の対象であるところの国家権力によって糾弾されるという悲劇。

「統帥要綱」を高く評価する佐藤氏が、「孫子」を読んでいない筈はなく、情報戦における謀略や、あらかじめ着地点の精確な計測を織り込んだ偽情報の戦略的価値について研究していたのは間違いなく自分を標的にして敵の注意を一点にそらしーー微妙な司法取引はあったかもしれないがーー巧妙な駆け引きのなかで明らかに引き受けなくてもよい責任まで自分ひとりで背負いこんだ。

むしろ佐藤氏の雄弁は、「しゃべる」ことによって言説で空間を埋め尽くし「決してしゃべってはならないこと」を隠蔽する機能をも有していたのである。

命に替えてでも守り抜き、決して公にしてはならない何か重大な機密情報を迂回し「ほかのことをベラベラしゃべり続けること」で逆に佐藤氏はその機密(こと・もの・パーソン)を守り抜いた。

歯をくいしばって決死の覚悟で守り抜いた。

そこら辺のところが西部氏には全然見えていない。



その後も私の資本論探究は続いているのですがそのプロセスで佐藤氏の「国家の危機」(的場昭弘氏との対談)「政権交代という幻想」(魚住昭氏との対談)にも目をとおす。

実に内容の濃い書物であり非常に参考になりました。

(別の場所での記述ですが)魚住氏が土井淑平氏と関連があるというのはおもしろい。







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Last updated  2011年10月01日 18時42分42秒
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