中南米世界へ…(9/25)
未知への不安と期待 これまでで一番長い無寄港航海も、残すところあと1日余りになった。ベルゲン(ノルウェー)を出港してから10日目、今日(9月25日)中には北回帰線を越えてさらに南下してゆく。 今日は航路説明会があり、まず23日の転覆船について説明があった。先日のキャプテンの話と同じで、今年2月に行方不明になっていた船だが人は確認できず周囲にサメが泳いでいたという。 この転覆船の確認のため1時間半停泊したので、27日のサントドミンゴへの入港が約1時間遅れるという。また、ハリケーン「オフェリア」が西インド諸島に接近中だが、1日早くその進路を横切ってサントドミンゴに入港するという。「オフェリア」の影響か、波が少し高くなっている。「航路説明会」(今回で8回目。プロジェクターで映される地図でこれからの航路を確認する) 続いて、これまでのヨーロッパ地域と違う点について説明があった。まず、治安が悪いので安全対策に十分注意して欲しいということだった。ポイントは、日没後の行動は控える、単独行動はしない、不要な貴金属などを携帯しない、マリファナやコカインに手を出さない、の4点だった。 衛生面では、生水は飲まず必ずミネラルウオーターを飲むこと。トイレ事情が悪いので、トイレットペーパーを持参し、使用後のペーパーは流さずにゴミ箱に入れることなど…。 言葉の面では、英語はほとんど通じないそうだ。数の数え方も英語では通じないとなると買い物も不便だし、まして値引き交渉などとても無理だろう。自分は、スペイン語会話集を持ってきたが uno, dos, tres, cuatro, cinco (1,2,3,4,5)でさえ、いまだに覚えていない。 通貨は米ドルが使えるが、偽札が横行しているため小さな店では高額紙幣(100ドル札、50ドル札)は受け取りを断られる場合があるという。加えて、クレジットカードはほとんど使えないという。話を聞いているうちに、未踏の地である中南米への不安とともに新たな興味も湧いてきた。「洋上キャッチボール」(サントドミンゴ(ドミニカ共和国)で地元チームと野球交流するメンバーが練習している) 今日はフォーマルディナーの日。自分は一枚きりの襟付きシャツにノーネクタイ、それに一着きりのサマージャケット。いつでもこれが自分のフォーマルである。 今日のフォーマルディナーは、焼物、蒸物、煮物、椀物、栗おこわという正統派の和食だった。そして甘味(デザート)は何と「鯛焼き」とバニラアイスクリーム。「和食のフォーマルディナー」(鯛焼きはミニサイズの「金魚焼き」だった。「小さくても鯛」焼き、ということか) 英語メニューでは「Fish shaped Pancake(魚のかたちをしたパンケーキ)」となっていた。「今夜のメニュー」(レストランの入り口に掲示してある。毎日写しているが、暗くて写りが悪いのが難点である) 船内レストランのメニューは、ベルゲン出港以来ずっと内容が良くなっている。これは衆目の一致するところで、今まであまりなかった洋食も増えている。料理長が変ったからとか、苦情が殺到してメニューが良くなったとか、もっぱらの噂である。 その中で、多くが口にしているのが、人気・知名度抜群の田部井淳子さんが乗っているのでこの間のメニューが良くなっているという話である。田部井さんはピースボートの有力な支援者であるため、この噂が信憑性をもって語られている。 それなら、彼女が下船するサントドミンゴ以降のメニューが心配になるのだが。