AE100形の軌跡 車両編
概要初代AE形は6両編成で運用されていましたが、8両編成化に伴い車両不足が発生しました。それを補うために、1990年6月から2代目スカイライナーとして8両編成2本が導入されデビューしました。1991年3月の現成田空港駅の開業に合わせての登場と思われがちですが、それは誤りで現東成田駅である当時の成田空港には数ヶ月間だけスカイライナーとして走りました。翌年からはAE形を順次置き換えていき1993年までに置き換えを完了しています。2010年には成田スカイアクセスが開業し、スカイライナーの名称はアクセス線経由で高速運転をするためにAE形に譲りました。開業後は従来のスカイライナーの代替列車として京成本線でシティライナーとして運用されるものの、同列車が季節臨時列車化されたために、2016年2月のラストランをもって引退をしました。編成AE100形は成田空港方が1号車とされ6M2Tの8両編成で、上野寄りの先頭車を基準にしAE108編成、AE118編成と呼ばれAE168編成までの7編成が製造されました。AE108編成の車号は成田空港寄りから、AE101,AE102,AE103AE104...と表され、一の位は号車番号で9,0は存在なし、十の位は0から製造された順番、百の位は1になります。←上野 M2c M1 T M1` M2`T M1 M2c 成田空港→ ⑧ ⑦ ⑥ ⑤ ④ ③ ② ①丸数字が号車番号です。走行関連機器京成の新製車ははじめてGTO素子を用いたVVVFインバーター制御が採用されました。京成電鉄では同形式が登場する前に角型のヘッドライトが特徴の3294編成で試験運用をしていました。制御器は2,5,7号車に搭載され1C8M方式で1-2、4-5、7-8号車のペアでユニットが組まれています。主電動機には東洋製と三菱製の定格出力130kWの交流かご形三相誘導電動機1,2,4,5,7,8号車にそれぞれ4つずつ搭載されています。これは後に登場する3700形ファミリーと同じものです。パンタグラフは下枠交差形のPT4804-A-Mが2,7号車に2つずつ搭載されています。付随車の3,6号車には150kWの補助電源装置と空気圧縮装置が搭載されています。台車はSU形ミンデンのFS-547が電動車にFS-047が付随車に使われています。特急専用車両にも関わらず3.5km/h/sの加速性能を有し、この数値は京成電鉄の他の通勤車並みで、JRの通勤型電車にも勝る数値です。これは都営浅草線と京急線を経由し、成田空港と羽田空港を結ぶ構想があったために一号線直通規格を満たしたものです。非常用貫通扉がついているのもこのためです。マスコンはT字型ワンハンドルマスコンで非常制動段、常用制動段、N段、力行段に大別できます。非常段からN段までは一般的ですが力行段はP1,P2,-,H,+があります。特筆するのは-,H,+は一定以上の速度では定速装置が作動し、Hを基準に-で減速、+で加速がなされます。↑通勤車とノッチ段の標記が異なる、通常は1,2,3,4,5と書かれる。車体車体は3300形以来の鋼鉄製で白地に赤と青を配色し初代AE形の新塗装を引き継いだものになりました。一般的な京成の通勤車両は上が赤で下が青の帯を纏っていますが、同車両は逆となり、千葉急行風となっていました。車体裾から一体化されている床下機器カバーとスカートは青く塗装され個性的です。先頭車は19.5mで中間車は19.0mとされ、約50°の後退角で直線的に切り落としたものとなっています。↑下から見ると急な斜面がわかる同時期に登場したJR251系や東武鉄道100系に比べても角ばった形になっています。傾斜のある前面の中央部は非常用貫通扉となっており、扉上部を中心に跳ね上げることができます。扉の真下には京成電鉄で標準採用されている小型密着自動連結器が格納されています。助手席側のにはマグサイン式の運行番号表示器があり、AE00と4桁で表示をすることができます。運転席側の上部には車号が記されています。同車両が充当される運用は原則としてAE○○のために表示器の左2つはAEで固定されているものと思われます。ヘッドライトは一部の自動車や近鉄20000系での使用例があるリトラクタブルヘッドライトが採用されています。ライトケースには左右2つの計4つがあり、通常はそれぞれの外側の2つを点けていました。内側のライトについてはカーブの多い京成本線でより確実に照らすために台車の振りに合わせて照射角が変化します。通常走行で内側をつけることは滅多になく、点けているとむしろ違和感を感じます。↑ライトカバーが開く様子左右のヘッドライトの下にはLED式のテールライト兼急行灯が備わっており、前者としては赤く点灯し、後者では橙色に点灯します。↑上が急行灯、下がテールライトを点けた様子全車両の乗降口は1車両1つで成田空港寄りの車端に位置し幅は800mmです。1,8号車には初代AE形譲りのSkylinerのロゴが取り付けられ、ルーバーの下には青字でAIRPORT EXPRESSの表記もありました。シィライナーとして運行されていた時期はいずれも見られませんでした。因みに1号車と8号車の簡単な見分け方として、先頭部よりに乗降口があるのが成田空港寄りの1号車で、乗降口が後部にあるのが上野よりの8号車です。車両間の幌は内側のみカバーがなされ、転落防止幌は後から付けられています。客室各車両の乗降口にあわせてデッキがあり、客室へ入るドアの前には大きな荷物置き場があります。ハイグレードの特別車両の設定はありませんが、スカイライナー時代の1,8号車は喫煙車がありました。全ての座席は青系の生地が使われているリクライニングシートで乗務員室からの操作で自動回転が可能です。座席の背面にはテーブルがついており全ての座席に土足のまま使用するフットレストがあります。座席の配列は基本は2+2列ですが4号車の車いす対応の席は1+1列となっています。各座席ごとの真上には読書灯とエアコンの噴出し口が備えられています。網棚にある空気清浄機は後からつけられたもので機器全体が露出してます。↑客室と客席4号車にはお手洗いと洗面所、5号車には「ジュース類販売機コーナー」とラウンジのようなものが設けられていました。「ジュース類販売機コーナー」とは飲み物のを扱った自販機のことで、車内放送ではこの様に表現されていました。晩年は震災に伴う節電の影響から自販機の稼動が中止されました。放送設備は日英の自動放送の他に停車中にBGMを流していました。現行のAE形では「デッキ・サービスコーナー」と案内されています主な参考資料・鉄道ピクトリアル 2007年3号 京成電鉄特集・京成電鉄完全データ・Wikipedia初公開 2018/07/11*新たな情報や資料を入手した場合は改訂をする予定です、おたのしみに。ザ・ラストラン プレミアム 京成電鉄AE100形 スカイライナー・シティライナー [DVD]楽天で購入サムネ