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講談社の週刊現代の新年号、1月4日号から、なかにし礼氏による新連載
「戦場のニーナ」が始まった。 以前、このブログで紹介した、ロシア・ウラルからの日本人残留孤児のニ ーナ・イヴァーノヴィナ・ポリンスカヤさんの物語の小説化である。 ニーナさんがロシア名であるのは、中国満州の日本軍トーチカでソ連兵に 保護されて、永くロシアの南西部に位置するウラル地方のエカテリンブル グで育ったため。 しかし、れっきとした日本人であることが、昨年厚生省の調査で判明。 中国以外の土地からの最初の残留孤児の認定がなされた。 1歳に満たない本当の赤ちゃんの時からの人生の61年間の歴史は、まさ にそのまま日本の戦争と戦後の歴史でもある。 たまたま、福岡在住の副島浩さんが偶然、ウラルへの所用の訪問の際に巡 り会ったニーナさんとの出会いで、図らずも残留孤児の認定へと発展した ものの、この様な「戦争の負」の部分の歴史認識は、益々風化しつつある。 たぶん、ロシア国内にはこの孤児のケースと同様の隠れた日本人がもっと いると思われる。 勇ましい、好戦的な国運が終わりを告げた後には、累々としたこのような 被害者が出てしまう恐ろしさを忘れてはいけない気がする。 この「戦場のニーナ」は、これもまた、同じような体験をされたなかにし 礼氏の出筆によるというのも、何かの歴史の縁を感じてしまう。 これからのニーナさんにとっては、日本国内での肉親探しという、これも また気が遠くなるような努力を要する試練が待っている。 戦後61年目を迎える今年でさえも、戦争が終わっていない人がいる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.01.16 11:01:18
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