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その瞬間はたぶん千分の1秒って感じだったと思う。
最初左手の後部ブレーキが感触がない。「随分と引っかかりが甘くなっ たなあ」と思い、右の前ブレーキを握ってもこれまた感触がまったくな い。 「あっ!!」と原因を思い起こしながら、加速がつき坂に向かって急速 に降下し始めたクロスバイクに乗ったしんぞうおじさん、 一瞬で判断しました。 「身体を犠牲にしてでも愛車の損害を小さくしよう!」 またがっているクロスバイクの右足を外して、身体の手前の方に自転車 を倒しながら、いわゆるスライディングの格好で舗装道路の坂道を滑り ころんでいった。 というか、こうする姿勢しか思い浮かばなかったし、この方法しかなっ たというのが真相。 そろそろ紅葉がきれいなシーズンだから、自転車仲間(私が一番のキャ リア初心者)と湯布院に温泉がてらツーリングをしようと、後藤、伊場 両氏とツアーを組んで行った先が、大分の温泉郷で有名な湯布院。 着いて大雑把な荷物を宿において、すぐに由布岳の西側に位置する塚原 付近の高原へ。この道を直進すると安心院に入る事ができる、かなり標 高が高い風光明媚な草原地帯。由布岳を斜め正目に観ながら360度の 大パノラマ。 「気分いいし、早速ツーリングだ。」 と車から車輪を分解した3台の自転車を出し、組み立てに入った。 今のバイクはワンタッチで前輪、後輪が取り外せる。 ところがこの時に分解するときに解除したブレーキケーブルを繋ぐのを 忘れていたのが不覚とするところ。 周りの風景に目を奪われて、注意力がかなり散漫になっていたんでしょ うね。 坂に向かってスピードが徐々につき始めて、まず無事に停車は無理だっ た。後は1)人間は無傷で自転車が傷つく。2)人間が犠牲になって自 転車の損害を小さくする。3)人間も自転車も大変なことになる。 この3つの選択肢を瞬間的に考えて、2番を選んだ。 たぶん1)の行動をしたら、自動的に3)番の結果になっていたと思う。 だって自転車を放り投げても人間も宙に浮かんでいるんだから、自転車 諸共人間も一緒に落下してもっと悲惨な結末を迎えているに決まってる。 おかげで左足の膝は削状の傷と打撲でしばらくの病院通いを余儀なくさ れてしまった。 愛車の「フェルト」はハンドルの左右の端の擦り傷と、左側のペダルの 一部陥没で済んだ。 昨日、膝の調子も戻ってきたので久しぶりに試し運転をした。 なんていったらいいのか、全体的な車体のしなりが良くなって、自転車 のなじみ方がスムーズになったようだ。 飼い主にお礼をいっていたのかな。 なんだか一緒に飯を喰った同士というか、戦友というか。 自転車と会話した奴はそうざらにはいまい。
気をつけてくださいね。
まだまだ長生きせんとイカンですよ!! (2008.12.16 12:50:03) |
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