カテゴリ:活字と映像の覚え書き
密林経由でGYAOの無料動画から『少女革命ウテナ』を追いかけていたのだが、この度なんとか全話コンプリートした。よしよし。
最終話のクライマックスシーンの流れが、中二女子にはまだピンとこないようで説明を要したが、そのあたりに絡み、気になったことがあって。最後に自ら解放を望む女性の行動は、一見、女性の解放を描いているように見えるけれど、現状は違うんだよねえ。 ここで描かれるのは、ひとりの男性、複数の男性という「男性支配者」からの解放なんだけど、現実社会で女性を支配するのは個々の男性ではなく、男性により多くの力を配分する仕組み自体、つまり「男性支配システム」なわけで。 もちろんそこには、システムによる強さを自分の強さと思いこむ男、という迷惑な存在がわかりやすく現れるのだけど、相手はそっちじゃないのよ。 これ、いかにも男性視点の描きかたなのよねえ。 かつての流行歌で「女の乳房にゃ適わない」というフレーズがあった通り、男性も女性に対して「かなわないなぁ、もう」という瞬間はあるわけで、ただそれは飽くまで個としての女性なので、たいしたことないんだわ。「もうやめた」って言えば済むのよ。まさに、この作品のラストシーンのように。 それでは太刀打ちできないシステムが出来上がっていて、世の中をまだまだ支配し続けていることに、システムを作る側の人間が気づいてほしいな、というのが切なる願いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 18, 2017 07:09:20 AM
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