河口の風景
早朝、久しぶりに当地に移住するまでの25年間住んでいた日野川の河口へ行ってみた。小学校の頃までは日野川の堤防は鬱蒼とした竹薮で、海岸沿いには防風林の松林が延々と延びていた。高校のはじめ頃までは勉強もせずに殆どこのあたりの海や川で遊んでいた。現在、魚や手長エビを追い掛け回した川や海は護岸や堤防が整備され、遊びつかれて昼寝をしたり、松露などのきのこ採りを楽しんだ松林は住宅地や公園に変わり果てている。これも時代の流れとは思うが、あの頃のワクワクした気持ちが懐かしい。ただ、海の広さだけは変わらないが…。日野川付近の日本海。すぐ近くに長年住んでいた皆生温泉の旅館街がある。日野川河口。以前はハゼ、手長エビ、モクズガニなどの宝庫で、時期にはダツ、アカエイ、鮭の遡上もよく見られたが、今は魚影すら見えない。向こうの右隅にわずかに見えるのが大山。葦の間でえさをついばむ水鳥。以前に比べると人を恐れないようで逃げる様子もなく、野性の本能があるのかと疑いたくなる。群から離れた雌の鴨。つがいの白鳥。葦の茂みで餌を探すサギ。