待つこと
待つ。食べる。待つ。何を? いつまで? 何のために? 待つのでしょう。人生の大半は、確かに待つことの連続です。電話がかかってくるのを待つ。メールが来るのを待つ。宅配を待つ。いい知らせを待つ。あるいは、誰かの死を待つ。自分の死を待つ。新しい命を待つ。朝が来るのを待つ。夜の訪れを待つ。待ち続けて、待ち焦がれて、……期待にピリオドを打てば、もう、待つこともないでしょう。絶対にやってこないと、自分が、心に決めれば待つことから開放される。でも、それはたった一つの「待つ」からの開放に過ぎない。ひとつ「待つ」が減ったところで、そんなに身軽になれるわけでもない。じっとしていよが動いていようが、時間は連続を止めないし。期限のない、淡い期待の中で待ち続ける。