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♪ まず桜庭の入場曲のSPEEDでも聴いてテンションをあげようぜ。♪ ♪ 暑い時こそディスコでパワー全開して、汗を振り払おう。♪ ♪ 逆に熱帯夜が逃げ出すぞ。♪ 会社の周囲にでっぷりとした野良猫が徘徊している。 周りが餌をあげているのか、糖尿病気味な太り方だ。 その猫を人一倍可愛がっている男が会社にいた。 以前美人過ぎる議員という人が話題になったが、 彼は小柄で、小柄過ぎる男と呼ばれていた。 彼は猫に食べ物は与えなかったが、牛乳はよくあげていた。 あげていたというより猫に存在感があるので、 角度によっては猫が彼に母乳を与えていたようにも見える。 (普通猫の母乳は飲みたくないが) 2月の寒風吹きすさぶ中、会社では人減らしが行われていた。 経営的に青色吐息になってもむやみに人を切らないのが、 社長の自慢だったがそれも限界にきていた。 しかしリストラとは人が人を裁く事でもあるので、 裁く方も裁かれる方も、様々な疑心暗鬼にドップリと浸かっていた。 苦渋の選択や断腸の思いもあれば、 血の気のない無表情で退職を執行する場合もある。 昨日まで同じ釜の飯を食った仲ではなかったのか。 彼は優しい男だった。 笑うと目元に慈悲溢れるシワが寄った。 仕事への取り組みは普通に見えた。 ただ拒む性格で無い彼は、結果的に頼まれた力量以上の 仕事を背負い込む事になり、未消化の仕事が累積していった。 首にはならないものの、転勤という話しが巷に伝わっていた。 その彼がある日を境にプッツリと姿が見えなくなった。 何があったのだろうと多くの憶測を生んだ。 まことしやかな噂話によると、 大き過ぎる猫が、小さ過ぎる彼を 愛しそうに口にくわえ、何処かに連れ去ったという。 真意の程は確かめようも無い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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