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カテゴリ:映画と原作の間
ようやくDVDで、映画も見直す
ことが出来たので、書きこみます。 木管楽器ディジュリドゥの木霊する ような独特の音感が響く中、始まる 映画。 自分の記憶に唖然とするのですが、この ファーストシーンに、重要な独白シーン で誰が話しているのか、まであれほど10 数年前に真剣に見てたのに、忘れてました。 原作との大きな違いは、異文化に融合が 2週間という期間で出来るか、どうか、 という点です。映画は正確な期間が分る ようには描いてませんけど。 「クルラ」-アボリジニの言語で、水、を 意味するらしいのですが、「ウォーター」と この「クルラ」が映画と原作の決定的な違い で。一言でいうと、原作者のマーシャルは 融合は可能とみており、映画の監督ローグは 不可能と見ている、ということでしょう。 DVD版のカバー裏、紹介文の最後「あの時、 君が望みさえすれば…」、は意味深長です。 映画を見ればすぐ判りますが。思春期の性、 男女、異人種、文化、野生、その他にもあ りますが、ともかく融合、っていうやつ。 言葉では簡単だけど、現実にはそう簡単には…。 余談ですがDVD版の画質は素晴らしい。見事に 三十年以上前の映画の色を復元してる、と 思います。同時に見れるオリジナルの予告編 の色の抜け方、落ち方を見ると。オーストラ リアのむき出しの原野が一方の主役なだけに、 これは重要なことで。エリマキトカゲも出て くるけど、色が落ちてたら興ざめだわな、 確かに。 ジョン・バリーの透明感のある叙情的な音楽 も秀逸で、このアカデミー賞を何度も受賞して る巨匠さんが、決して金儲け(この映画の スコアを書いて儲かったとは思えない)ばかり 考えていたのでないのも分ります。 70年ごろのオーストラリア内陸部の風景を 見るだけでも価値あり、と思うし、その後の 例えばピ-ター・ウィア監督の「ラスト・ウェ ーブ」(これも不遇の一本)などでも使われて いるデジュリドゥの、ヒーリングだけでない、 本当の使われ方垣間見れる(といっても演奏する シーンなんて出てこないけどね)のも ありがたい、という映画。 (下)DVD版のBOXの表とカバー裏。 ブロードウエイとかいうところが出してるんだけど、 こんな高いもん、オレぐらいしか買わん。 おかげで、手に入ったけど(定価・税込みで6090円) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年03月12日 09時56分20秒
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