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2005年06月10日
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カテゴリ:映画&音楽
 午前10時50分。
 今日は、実は何時でもいいんですけど。
 お休みですからね。

 何度、書いてるかなあ?「ミリオンダラー・ベイビー」
 を見に行こう。今日は梅雨入り前の最後かもしれん晴れの
 天気。映画はもったいないかあ、とも思って。

 でも、こうやって家でぼやっとPCに向かってたら
 意味ないけどね。
 「ミリオンダラー・ベイビー」といえば、イーストウッド。
 イーストウッドと言えば、やはりタフで屈強な男のイメージ、
 強いよなあ。違う役、ってのもまずやってないんじゃない
 かなあ。マカロニウエスタン以後。

 で、イーストウッドの話は、「ミリオンダラー・ベイビー」
 を見てからするとして、今日は偏屈度では絶対イーストウッド
 を上回り、結局、その頭の固さから世界の一線監督だった
 のに、どうなっちゃったの、という風になったドイツの監督を。

 あ、ヴィム・ヴェンダースじゃないです。
 この方は偏屈じゃなさそうなので。

 ヴェルナー・ヘルツォーク監督がその人。
 今でこそ、韓国映画だけど、僕が大学時代の83年。
 このあたりは、ドイツ映画を見るのがトレンドだった。
 シュレンドルフ監督の「ブリキの太鼓」が81年のキネ旬1位
 になったりして(予断ですが、試写会でこの映画を見た
 二十歳の私は“なんじゃこれは、さっぱり分らん。なんで、成長
 せんなんてことが起こるんや”と、見た直後に思いました。
 カッコ悪いから“いやあ、やはりドイツ映画、奥が深いわ”とか
 いうて、宣伝して回ったけど、良さが分ったのは
 十年ぐらい経って見るの3回目ぐらいになってから)。

 で、82年のドイツ映画際。
 大阪でも梅田のピカデリーとか、借り切って。
 そこで「フィツカラルド」に出会ったのが
 ヘルツウォークの最初。
 びっくりしましたねえ。ことわざで「船頭多くして、
 船山に登る」って、いう訳の分らない方向に
 物事がいくたとえがありますが、映画で、
 しかも今のようにCGもない時代に、アマゾンの
 奥地に現地ロケして、ほんまに船を山に上げてしまった、
 映画ですから。
 それも「オペラ座を作る」っていう夢だけの
 ために。クラウス・キンスキーの代表作、と
 いうか、この映画は彼のため、って感じもあって。
 娘のナスターシャ・キンスキーはポランスキーの
 「テス」を代表作として挙げたいけど、絶対じゃない。
 父親の方は「フィツカラルド」しかない、と言って
 いいぐらい。

 「夢」、なんて言葉こそば痒いから、思い込みと置き換えましょう。
 思い込みの実現のために、とんでもないことをやってしまう男
 をヘルツウォークは見事に映し切ってました。たぶん、自分も
 ジャングルで船を山に上げるために汗だくになりながら。

 で、この映画が一般上映された翌年に、この監督の作品11作が
 回顧上映されました。東京と大阪で、だけだったと思う。
 全部見ましたよ。で、打ちのめされるのが多かった。
 いまだに、小説とか小文を書く時に引用したりするけど。

  戦中に、戦いの起こらないギリシャの島に赴任しその変化
のなさから精神状態に異常をきたす青年を描いた「生の証明」、
火山の噴火を記録しにいっていつまで経っても噴火が起こらな
いのをじっと記録した「ラ・スフリエールー起こらざる災害の
記録」《撮影が終ってから噴火は起こってるんだから、自然は
思うにならない》、誰よりも遠くへ飛べる天才ジャンパー、シ
ュタイナーの卓越した才能が起こす孤独感を描き出した「跳躍
の孤独と恍惚」。
  
  どれを取っても、やはりいまだに、僕の小説など、創作に大き
 な影響を残してるのは否定出来ません。このおっさんの映画、ほ
 んまに笑いが少なくて。妙な落ち方で笑えたのはK・キンスキー
 がドラキュラを演じた「ノスフェラトウ」だけど、これは監督の
 意図でないのは確かで、だから怪作(僕はこれも大好きだけど)
 なんだけど。

  いや、いろんなものが遭難している私の部屋をさっき、ちょっ
 とだけ掘り起こしたらこの映画祭のパンフが出てきて。イーストウ
 ッドは偏屈といっても笑いがあるから、万人に受け入れてもらえる
 けど、このおやじ=ヘルツウォークは笑い、つまり余裕のない作品
 が多かったのが、結局は命取りになっていったのではないかと。だ
 って、「彼方へ」と言った商業映画の中途半端さは、制作者に笑い
 ながら媚を売って、腹の底では違うことを考えて作るっていった芸
 当の出来なかった不器用な男を象徴しているようで。

 男として強く共感出来るけど、やはり余裕はあって欲しい。
 イーストウッドの方が馴染めてしまうのもそのためで。
 今日は「ミリオンダラー・ベイビー」は無理かな?
 まあ、しばらくやってるだろうし。

 (下)1983年のヴェルナー・ヘルツウォーク回顧展の
 パンフレットの表紙。ヘルツウォーク本人がバン!と正面から
 出てます。意思の強そうな目っていうのは、この写真から
 も窺えて。ちなみに、このパンフ千円で売ってたのですが、
 通しのチケットを買った私はそのオマケとしていただきました。
 今では貴重な資料です。時には役に立つパンフレット。





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最終更新日  2005年06月11日 10時17分37秒


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