人の不幸は蜜の味、って?
27日の午前1時近くです。 日記を書こうと思ってパソコンの前で 約2時間。 何もせずになってしまった。 疲れてんのかなあ。 広島県福山市の本屋から「めっちゃピンぼけ」が すべて引き上げられてるのを発見したため? まあ、確かにそれもある。 でも、そればかりじゃあ、ない。 一番は…。 書くことを予告していたことが あんまり明るい話じゃないから。 まあ、でも予告した手前、書きます。 南アフリカのヨハネスブルグから南西約 30キロに位置するソエト(South-West Townships)。 いや、知ってたように書くのはフェアじゃない。 この地へ行くまで、ここが黒人移住区 だって知らなかった。 今も、こう書いてるけど、本当に 黒人しか住んではいけないのか(たぶん、 そんな土地は南アフリカにはもうないはず。 法律上の話だけど)、実は知りません。 調べればすぐ判るのに、やらないって。 ほんまに。 で、きのう掲載した写真はこのソエトで撮った ものです。葬儀屋。大繁盛なんだよね。 南アフリカって、一日外にぼんやりいてエイズの 話を街で聞かないことが絶対ない国でね。 薬も行き届いてない。 だから…。 葬儀屋が儲かる。 ピンクの建物でも建てたくなるの、 判るような。タウンシップの中の 成金みたいなものだから。需要のない 日、っておそらくない。 ここへ連れて行ってくれた方の、婚約者 の弟さん(黒人)が教えてくれた。 「あの葬儀屋の経営者、有名なボクサーだったんだ」 って。興味沸きましたよ。 元ボクシング担当の記者としては。 「名前は?」「知らない」 「有名って?」「世界チャンピオン」 「え?」「ライト級だった」 「それ、トベラじゃない?」 「うん、トベラ」 本当に、こんな会話だった。 で、ティンガン・トベラ、別名・ソエトの黒い薔薇 がピンクの葬儀屋だったってわけで。 「このへんで一番の金持ちさ」「なんで」 「だって、毎日がっぽがっぽだよ」 この建物を見る直前、僕はタウンシップ内の 教会と墓地を見に行ってて。土葬の国だけに、 大変なことになってました。もう、死体=棺おけ 置く土地がない。エイズによる死者が止まらない 限り、墓地の確保さえ難しい状況でした。 で、こんな中で元世界王者トベラは財をなして いっている。同じ地区に住む、同じ黒人のエイズ による死によって。 ボクシングやめての転職成功って? 連れて行ってくれた方も含め、彼の 作り上げていってる財のことを良く語 るのを聞く機会、ついになかったなあ。 トベラがなんで日本に関係あるかって? トベラにこの、南アフリカはヨハネスブルグ で挑戦して王者になったのがナザロフ(ロシア)で。 当時、日本の協栄ジム所属や。 日本でも防衛戦やってたから、名前知ってる 人は多いやろ?グッシー・ナザロフって いえばいいか。 人の死を商売にして、どういう意味があるのか 知らんがピンク色の建物を建てる元世界王者。 いや、批判してるんやない。 棺おけの置き場もなくなった墓場を見て、ピンク の建物を見ると、勝手に想像力が働いて なぜか“人間ってやつは”って思ってしまって。 肌の色が同じだって、この有様。 金儲けが悪いわけじゃないのに。 何も法律に違反してるわけじゃない。 なんで、僕は引っかかるのだろう? 僕が正義を振り回すなんて柄じゃないし、 間違えてるし。 だから、そういう理由じゃない。 正しいか、間違えてるか、なんて 興味もない。ただ、ものすごい違和感 が心の中に巻き起こり、南アフリカを 出るまで消えなかったのは事実で。 何が言いたいんだろ? おそらく、葬儀屋が儲かることが 悲しいってことだと思う。 どんな時でも、葬儀屋は暇な方が いいと思ってしまう。たとえ、商売と しては苦しくなられても。 葬儀屋さん、すんません。 でも、これが偽らない僕の本音でも ある訳で。 (下)明日の日記はこれについて書きます。 写真、一日ずれたおかげで、次のブログの 予告に使うっていうやりかたになった。この 方法でしばらくやって見るか。