『ボルベール <帰郷>』(2006年/西 原題:Volver)を見た。
ペドロ・アルモドバル監督の最新作。
ライムンダ(ペネロペ・クルス)の15才になる娘
パウラ(ヨアンナ・コボ)は「実の父親ではないから」と関係を迫ってきた
ライムンダの夫を殺してしまう。そんなとき、小さい頃から慕ってきた伯母が急死したとの連絡があったが、姉
ソーレ(ロラ・ドゥエニャス)や伯母の隣人
アグスティナ(ブランカ・ポルティージョ)に葬儀を任せ、
ライムンダは隣人が閉店したレストランの冷凍庫に死体を隠す。
ソーレが伯母の葬式から帰ると、4年前に火事で父と共に亡くなったはずの母
イレネ(カルメン・マウラ)が車のトランクから出てくる。母は生きていて、ずっと伯母の世話をしていたというのだ。
ソーレと暮らすことになった
イレネだが、ある事件をきっかけに疎遠になった
ライムンダには、自分が生きていることをなかなか言い出せない。同じ頃、
ライムンダは、レストランで映画の撮影クルーたちに料理を振舞うことになり、その撮影の打ち上げパーティーの席で母から教わった歌“ボルベール”を熱唱する。その娘の姿を見て母
イレネは涙する。母と娘は、お互いに抱えてきた秘密、過去のわだかまりを乗り越え許しあえるのか・・・
以下、感想を箇条書きに。
・アルモドバル監督らしい女性賛歌(逆に男性は居た堪れないかも)。母性の本質はすべてを受け入れる包容、寛容なのでしょうか。
・
ライムンダの歌う“ボルベール”。素晴らしい歌だけど、はっきりとわかるペネロペの口パクには少々興ざめ。目を閉じて聞きませう。
・この作品に登場する女性たちはある意味みんな“たくましい”のだけれど、その中にも可愛らしさがあり、茶目っ気があり、気丈なところがあり、“たくましい”というのにも色々あるのだなぁ、、、と思った。
・個人的には、
アグスティナの今後が気になる。
イレネは本当のことを話すのか、それとも話さないままなのか。私が
アグスティナだったら、もう敢えて問いただそうとは思わないだろうけれど。
評価は、
★★★★ (満点は5つ)
随所に笑いも散りばめられ、そんなに重くもないので、女性同士で観に行くのに良い作品かと。