|
全て
| ご挨拶・ご連絡
| 育児・子供の事
| 吹奏楽関連
| ショッピング関連
| 私のパソコン生活
| スポーツの事
| 作家「井上靖」関連
| 号外・ノンセクション・その他
| クラシック音楽関連
| 広島東洋カープの話題
| サッカー日本代表関連
| YMOとその周辺
| 観劇・映画関連話
| 固定カテゴリ以外の音楽
カテゴリ:観劇・映画関連話
(7日にUPした記事「その1」の続きです。以下“ネタバレ”の内容があります。ご注意下さい・・・)
(「曲舞(くせまい)」のあらすじです) 時は平家全盛の時代。“平家でなければ人でなし”の時代。 平治の乱で敗れた源義朝の妻・常盤御前(七之助)は、平清盛の妻になった後、公家の一條大蔵長成(亀次郎)の妻になっていた。長成は、能狂言にうつつを抜かす“阿呆者”だった。 ある日のこと、長成はその家臣・八剣勘解由(亀鶴)と、平家の家臣・播磨大掾広盛(男女蔵)に命を狙われるが・・・ 得意の狂言舞に乗じ、二人を撃退してしまう。 (「奥殿(おくでん)」のあらすじです) 源氏再興の機会を狙っていた源義朝の旧臣・吉岡鬼次郎(勘太郎)が、ある夜、長成の屋敷へ忍び込み、先に屋敷に忍び込んでいた妻・お京(松也)とともに常盤御前の思いを質す。 一見、源氏再興に全く興味を示さない様に思えた常盤御前だったが、それは、我が子三人(末っ子が牛若丸、後の源義経)の命を救うためのカモフラージュだった。 常盤御前の真意を盗み聞きしていた勘解由が、その旨を平家へ通報しようとしたその時・・・ “阿呆者”を装っていた長成の長刀が勘解由を斬りつけ、その首をはねてしまう。 長成も実は源氏の末裔で、その再興を熱望していた。“阿呆者”を装っていたのは、平家隆盛の世で我が身を守る“苦肉の策”だったのだ・・・ (あらすじ、終わりです) この一條大蔵譚、もともと文楽(人形浄瑠璃)のためにつくられたお話を、歌舞伎用にうつしたものなのだそうで。長成の生い立ち等、一部作者による“フィクション”も含まれているそうです。 『歌舞伎で、“阿呆者”って、どの様に演じられるんだろう』 と、私は注目していたのですが・・・ 市川亀治郎さん演じる“阿呆者”の長成、とても歌舞伎とは思えない“阿呆”っぷりで、驚いてしまいました。崩れた口調、台詞回しの面白さ、チョコマカと歩くその仕草のコミカルさ・・・ その姿に、私は、某有名コメディアンさんが演じる超有名キャラクター“バカ殿”を連想しました。 亀治郎さんが長成を演じるにあたり、実際にその“バカ殿”を参考にしたのか(あるいは、その逆か)どうかは分かりませんが、とにかくその見事な“阿呆”っぷりに、まず、度胆を抜かれました。 その他にも、「奥殿」で見せた“阿呆”でない長成の堂々とした立ち居振る舞いや、瞬間的に“阿呆”が出たり抜けたりする“変わり身”など、亀治郎さんの演技の見どころはたくさんありましたが・・・ 私が一番心を奪われたのは、その“舞”の素晴らしさでした。 歌舞伎でこれまで上演された事がほとんどないという「曲舞」、この幕で見せてくれた亀治郎さんの“舞”。 最初は、「お京」と、「勘解由の妻・鳴瀬(中村京蔵)」を従えた連れ舞なのですが・・・ それに乗じて長成を切ろうとする「刺客二人」が、その三人の中に割って入ってきます。 二人の乱入に全く動ぜず、舞を舞いながら二人をいなし、二人の刀をかわしてしまう長成。 そして、刺客二人をも“舞”に巻き込んでしまう、その懐の広さ・・・ その立ち居振る舞いの素晴らしさを、どの様な言葉で表現したらいいのでしょう。 とても自然というか、見事というか、圧巻というか・・・ ちょっと大げさかも知れませんが、まさにこの世のものとは思えない、亀治郎さんのその身のこなし。観ていた私は、まさに、“夢見心地”でした。 『新年早々、素晴らしいものを観てしまったなぁ・・・』 閉幕後、私の心の中は喜びと充実感でいっぱいでした。 (「その3」に続きます) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.09 19:51:52
コメント(0) | コメントを書く
[観劇・映画関連話] カテゴリの最新記事
|
|