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カテゴリ:観劇・映画関連話
(25日にUPした“その2/3”からの続きです) 四、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなよこぐし) 木更津海岸見染の場、源氏店妾宅の場 (あらすじ) 伊豆屋の跡取りでありながら放蕩三昧の与三郎(染五郎)は、その目に余る行動のために木更津の親類の許に預けられていた。 ある日、与三郎が鳶頭金五郎(錦之助)と木更津の浜見物をしていると、元は深川の芸者、今は地元の顔役・赤間源左衛門の妾である、お富(福助)と出会う。 互いは、互いに、一目惚れ・・・(「木更津海岸見染」)。 二人の仲は次第に深まるが、それは赤間の知るところとなり、与三郎は重傷を負わされる。 「与三郎は死んだ」と伝えられたお富は絶望し、海に身を投げるが・・・ 偶然船で通りかかった和泉屋多左衛門(歌六)に助けられる。 そんな縁で、お富が多左衛門の妾になって三年・・・ その屋敷に、小悪党の蝙蝠安(彌十郎)が、金の無心にやってくる。以前も同じ手口で金を取られたお富は断るが、蝙蝠安は「今日は相棒を連れてきた」といい、外で待っていた男を呼び入れる。身体中に三十四の刀傷を持つその男、懐かしさや嫉妬、その他もろもろの感情の入り混じった声で、お富に呼びかける。 (「源氏店妾宅」) この演目、千葉県民の私としては、実は一度観てみたかったんです。 与三郎とお富が出会うその地が、「木更津」なので。 与三郎は、俗に「切られ与三郎」、「切られ与三」とも呼ばれていますが、彼に対してこれまで私が抱いていたイメージは こんな感じで、必ずしも良いものではありませんでした。 しかし、そんな“ならず者”の男の墓が、なぜ今も木更津に祀ってあるのか・・・ その“謎”を解明する事が、今回私が歌舞伎座へ足を運んだ理由のひとつでした。 で、今回、おかげ様で、その謎が解けました・・・(イヤホンガイドのおかげです) 上記の「あらすじ」で、与三郎は“伊豆屋の跡取り”だと書きましたが、実は彼は、子に恵まれなかった伊豆屋に“養子”として迎えられたのだそうで。 ところが、彼が養子に入った後に、伊豆屋に男の“実子”が生まれ・・・ 「伊豆屋の跡取りは、その実子であるべきだ」と与三郎は考え、わざと“放蕩三昧”の生活を送り、“勘当”される事を望んでいたのだそうです。しかしこれが、半殺しの目に遭い、身体に三十四ヶ所の刀傷を負う“悲劇”につながってしまった訳ですが・・・ 顔も含め、身体中が傷だらけでは真っ当な生活を送る事もできず、泥棒まがいの“ならず者”に転落、というのが、事の顛末の様です。 しかし、お富を愛する気持ちだけは、ずっと持ち続けていた・・・ そんな人情味溢れるストーリーが、与三郎とお富が、木更津をはじめ、その縁の地で愛され、祀られ、今でもこの演目が歌舞伎などで上演される所以なのだろう、と、私は思います。 (関連情報として、毎日新聞のweb千葉版1月8日号にこんな記事を見つけました。ご興味ありましたら、読んでみて下さいね) 八代・市川團十郎によって初演されて以来、歴代の“二枚目役者”が演じてきたという「与三郎」、今回務めたのは、市川染五郎さん。まさに“適役”、私は、そう思いました。 “ならず者”に落ちる前も後も、気品や“色男ぶり”を失わない姿は、さすがだと思いました。 一方、お富を演じていらした中村福助さん。始め、その声色が私のイメージしていたお富の声色と若干ギャップがあったのですが・・・ 舞台が進むうち、そのとても“色気”のある演技が、私のギャップを埋めていってくれました。 「木更津海岸見染」の場。二人が木更津の浜辺で、初めて出会うシーン・・・ 少し距離を置きながらも、互いに見つめ合う二人に対し、客席からは・・・ といった掛け声とは別に、 なーんていう声も飛んでいました。 「源氏店妾宅」の場。 風呂上りで、着物の襟元や胸元を少し広く開けて色香を漂わせているお富に対し、与三郎が“七五調”で語りかけるシーン・・・ いやー、まさに名調子、名台詞。 その“粋”で“いなせ”な感じが、堪らなくカッコ良かったと思います。 そして、幕直前(残り3分、といったところだったでしょうか)での、あのストーリーの“どんでん返し”には・・・ 私も少々、ホロリとさせて頂きました。 念願の演目を、最高の形で観る事ができて、大満足でした。 と、いう訳で・・・ (“1/3”の冒頭に書きました通り)今回は私にとって3回目の歌舞伎の観劇だった訳ですが、観る度に、その面白さが倍増していくのを感じます。 3年前の12月、生まれて初めて歌舞伎座に足を踏み入れる前は、その敷居が、まさに歌舞伎座の建物の高さほどに感じられたのですが・・・ 今や私は、歌舞伎に魅せられていく一方です。 是非また(次回は恐らくまた来年の1月だと思いますが)、歌舞伎の公演に足を運びたい、今からそう思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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