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鳴らないシンバル

鳴らないシンバル

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Pocky Man
2010.07.11
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カテゴリ:観劇・映画関連話

少々前の話で、恐縮です。
先月18日(金)、私は、コクーン歌舞伎「佐倉義民傳(さくらぎみんでん)」を観にいってきました。



H22.6.18シアターコクーン



観劇から三週間以上経ちましたが・・・ その“衝撃”は、今も私の心の中に残っています。
この“衝撃”を、どういう文章でブログに書いたらいいのか、三週間以上ずっと考えてきたのですが・・・ 頭の中が、まとまりません。

まとまらない中での記事になります事を、まず最初にお詫び致します。

舞台は、下総・佐倉。現在の千葉県佐倉市あたりになるかと思います。



(あらすじ)

時は天保年間、佐倉十五万石の領主・堀田上野介正信(中村扇雀)は、自分の領地の代表的な特産品が「醤油」である事も知らない殿様。
そんな主に半ば呆れながらも、近々幕府の老中に採りたてられるという主のため、「政とはこういうものだ」と割り切り、領民たちを生かさず殺さず、年貢を絞り取れるだけ取ろうとする家老・池浦主計(坂東彌十郎)。

厳しい年貢の取り立てに苦しみ、かくなる上は“一揆”も辞さないという“一触即発”状態の領民たち。それを煽る謎の男・駿河弥五衛門(中村橋之助)。
その一方で、将来の生活に希望を持てず、半ば夜逃げ状態で、故郷の下総佐倉・公津村を捨てていく、おぶん(中村七之助)の様な女子供も含む、領民たち。

そんな領民たちに対し、「ここは堪えてくだされ」、「どうか辛抱してくだされ」と諭し、自分の生活を削ってでも領民たちのために尽そうと奔走する、公津村の名主・木内宗吾(中村勘三郎)。

領民たちの暮らしが少しでも良くなる様に、と、真冬に滝に打たれながら祈り・・・
「きちんと話せば分かってくださるはずだ」と、領民たちの窮状を佐倉藩家老・池浦主計に訴え、効果がないと判断するや、領主の堀田上野介を江戸屋敷に訪ね・・・

しまいには、重罪に処せられる事を知りながら、将軍・家綱(中村七之助 二役)に“直訴”。
宗吾の訴えは、届くのか・・・?

(あらすじ、終わりです)



“領民たちが重い年貢に苦しむ”という設定は、時代劇などでよくある設定だと思います。で、普通なら、正義の味方が現れて、悪代官たちをやっつけて、めでたしめでたし、となるのでしょうが・・・

この「佐倉義民傳」は、そんなハッピーエンドのお話ではありません。

考えられる全ての手段を尽くし、領民たちを守ろうとした木内宗吾は・・・

最後には“重罪人”という汚名を着せられ、宗吾を含む一家五人が・・・
そう、宗吾の女房・おさん(中村扇雀 二役)と、乳飲み子を含む子供三人までもが処刑されるという、非常に悲惨な結末を迎えます。

これが“史実に基づいた話”というんですから、何ともやり切れません。

その処刑のシーン、私の心の中は、「悲しみ」と「怒り」、そんなありふれた言葉では書き現せない程の、複雑な気持ちでいっぱいになりました。


このお話が、こんな酷い結末を迎える事が分かっているからこそ・・・


この「佐倉義民傳」の中にある、非常に人情味あふれる“甚兵衛渡し”、“子別れ”というふたつの場面が“名場面”として観る者の胸を打つのだと思います。


堀田上野介の江戸屋敷から佐倉へ宗吾が帰る途中、領内にはなぜか、「宗吾が将軍・家綱への直訴を画策している」という噂が既に広まっており・・・
その“重罪人”を捕らえようと、家老・池浦主計の手によって張り巡らされた、“宗吾包囲網”。
最後に少しだけでいいから、我が家族のもとへ帰りたい、家族に会いたい、そんな宗吾の願いを果たすべく、“包囲網”を掻い潜るため、渡し守の甚兵衛(笹野高史)の手によって「藩の封印」を解かれた渡し舟。その舟に乗り、何度も甚兵衛に対して礼を言う、宗吾。(甚兵衛渡し)


時の将軍に直訴するという決心を胸に抱きつつ、夜遅くに我が家に辿り着いた宗吾。
“重罪人”を追って宗吾の家までやってきた長吉(片岡亀蔵)は、以前、宗吾に命を助けてもらった恩義を思い出し、何もせずにその場を立ち去る。
束の間の“水入らず”のひと時を過ごす、宗吾とその家族たち。
いよいよ出発、という時・・・
何かの異変を察知して突然泣き出す、一番年下の(乳飲み子の)娘。
「出発するなら、一晩泊って、明日の朝にすればよいではないですか」と、父親を引き止めようとする次男。
「出発するなら、私も一緒に連れて行ってください」と、涙ながらにすがりつく、長男。(子別れ)


これらの場面、私は、込み上げてくる感情を抑え隠すのに必死でした。

そして、その一方で・・・

冷静に、↓こんな事を考えている自分が居ました。



『もし仮に、宗吾の様に私自身が窮地に陥った時、文字通り「助け舟」を出してくれる人が、私にはいるだろうか?』

『もし仮に、宗吾の様に私自身が「決死の覚悟」を抱いた時、家族はそれに気付き、理解を示し、励ましてくれるだろうか。そして・・・
今生の別れを惜しみながらも、気持ち良く発たせてくれるだろうか?』





(“後編”に続きます)








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Last updated  2010.07.11 21:25:27
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