ヴェルディのレクイエムを聴きに出掛けた話
10月13日(土)、私は、すみだトリフォニーホール(大ホール)へ出掛けてきました。指揮 上岡敏之ソプラノ 宮平真希子メゾ・ソプラノ 小川明子テノール 吉田浩之バリトン 福島明也合唱 栗友会合唱団(合唱指揮 栗山文昭)管弦楽 新日本フィルハーモニー交響楽団プログラムヴェルティ:レクイエム新日本フィルの演奏会への登場は、約3年ぶりになるマエストロ。とても楽しみにしていた演奏会でした。お恥ずかしい話で誠に恐縮ですが、私自身、ヴェルディのレクイエムを本格的に聴くのは今回が初めて。初めて聴く曲の演奏会へ出掛ける際、私は事前に“予習”をしていく事もあるのですが・・・『指揮がマエストロなら、予習なしでも直ぐにその音楽に没頭できるだろう』と今回は考え、特に何もせずに出掛けました。結果的に・・・私の見込みはバッチリあたり、絶大な安心感、信頼感をもってその音楽に身を委ねる事ができた2時間弱でした。曲の冒頭から細心の注意を払って始められたその演奏は、非常に繊細、私はそんな印象を抱きました。“ドラマティックで華麗”という特徴が、ある人には評価され、またある人には批判されてきた、この曲。マエストロはあえてこの曲の“劇的”な部分を必要最小限に抑え、自制し、“レクイエム”という面に重きを置かれていた様に思います。もちろん、“怒りの日”の様にドラマティックな部分はあるんですけれども・・・それらも全て最終的には“死者の追悼”へ帰結する、そんな一貫性のある音楽がつくり上げられていた様に私は感じました。私にとっては、とても満足度の高い演奏会でした。ただひとつ、ちょっと残念だった点を挙げるとすれば・・・『ソプラノの方の歌唱が、もうちょっと安定していたらなぁ・・・』そんな事を、個人的には思いました。今年1月の読響定期の「マーラーの4番」の時といい、今回の「ヴェルディ/レクイエム」といい、マエストロ、ここのところソプラノのソリストに恵まれていない様な気が・・・次回のマエストロ指揮の演奏会、楽しみにしています(来春、でしたっけ)