シエナ・ウインドオーケストラのDVDを観た話
今回は、↑こんな表題で記事を書いてみたいと思います(火曜日UP予定が、水曜日になってしまいました。どうぞご容赦下さい・・・)。私こと、先週の火曜日(12日)、↓ここへ行ってきました。佐渡裕指揮、シエナ・ウインドオーケストラの演奏会を聴くために。なので今回、本来ならその演奏会の事を中心にお話しすべきなのでしょうが・・・あえて今回の話題の中心は、↓このDVDの事にしてみたいと思います。・バーンスタイン・ガラ 熱狂ライヴ! 12日のシエナの演奏会、1曲目からほとんどいつもと変わらぬ迫力ある演奏を聴かせてくれていました。でも私は、何となく思ったんです。『演奏会の雰囲気が、いつもと少しだけ違う・・・?』シエナのサウンドも、マエストロの指揮振りも、演奏会2部から始まったマエストロのMCの声のトーンも、少しだけいつもより重く沈んでいる様に感じたんです。その理由が・・・ アンコール2曲目の演奏前に、分かりました。マエストロが、目頭を押さえ、時々声を詰まらせながら語られた事。それは・・・昨年マエストロ指揮・シエナの演奏会ツアーに同行されていた、ジャズヴォーカリスト・越智順子さんの訃報でした。譜面台の上に飾られた越智さんの写真が指揮台の左横に置かれ、演奏されたその日のアンコール2曲目、それは、昨年シエナの演奏をバックに越智さんが歌われた、「I Can Cock, Too」の“ボーカルなしバージョン”(L.バーンスタイン作曲《オン・ザ・タウン》より、星出尚志編曲)でした。異例な事ですが、マエストロの意向で、演奏終了後、ホール内は大きな拍手に包まれました。お恥ずかしい事に、私はそれまで越智順子さんのお名前を知りませんでした。『昨年のシエナの演奏会で、どの様な歌声を聴かせてくれていたのか・・・』それを知りたくて、東京芸術劇場から帰宅してすぐ、この記事の冒頭でご紹介したDVDをウェブで注文しました。昨年の9月17日、東京芸術劇場での演奏会の模様が収録されています。数日後、DVDが届いたので早速「I Can Cock, Too」を観て聴いてみました。いやぁ、圧巻です・・・曲自体は、アップテンポのスウィングジャズ調の、とても明るくて楽しい曲。越智さんの、そのパワフルでメリハリの効いたヴォーカルと、そのノリノリで歌っている姿が、バーンスタインの曲と、マエストロの指揮と、シエナのサウンドと絶妙にマッチしていると思いました。このDVDにはもう1曲、アンコールで越智さんが歌われた「Some Other Time」(L.バーンスタイン作曲《オン・ザ・タウン》より、山口尚人編曲)が収録されています。こちらは、バラード調のしっとりとした曲。越智さんはこの曲を、情感たっぷりに見事に歌い上げられています。その後も、ソロでの活動はもちろん、恐らくシエナとも定期的に共演して、その素晴らしい歌声を聴かせてくれるはずだったでしょうに・・・ 本当に、惜しまれます。越智順子さんのご冥福を、心よりお祈りいたします。