カテゴリ:音楽
それでは修理を始めましょう。 ニカワの除去は比較的楽でした、経年劣化で弱っていたり既に 外れていたりしましたので。 それよりブレーシングが気になります。両端の削りが大きく、 強度的に不安が残ります。 おまけに ブレーシングからエンドブロックまでなにも補強がありません。 道理で割れたりトップ落ち気味だった訳です。 このだだっぴろいおなかを補修しつつ喝を入れる事にしましょう。 ・ ・ ・ はい、できました。 買い込んでおいたマホガニーっぽい平棒で割れを全体的に接着、 トップ落ち防止に5ミリの角棒を縦に貼り、たわみ防止にヤマハ No.90をまねて桧で作ったブリッジプレートを取り付けました。
角材はエンドブロックとブレーシングに突っ張らせるような感じで 取り付けました。このぐらいはしておかないと不安です。
次は側板の割れを直します。 曲面に平棒の貼り付けは難しいので パッチを使いました。 割れ自身もしっかりと接着します。
全体。
ブレーシングも元の物が頼りなかったのでニカワを除去する ついでに付け替えました。 サウンドホール周りのタールのような接着剤もきれいきれいしました。
次は裏板。こちらも結構傷んでる箇所があります。
ブレーシングがぱっくり。曲げた板にこの木目方向はダメでしょ・・・ 当初気付かなかったのですが、板にも割れがありました。 表板と同じように平棒を貼ります。
これで補修は終わりましたのでボディーを元に戻します。
裏板を貼り付けて接着部を整えたら次は塗装です。 今回はかなり濃い目の色なので、ダークオークでなるべく ムラにならないよう気を付けつつ・・・
ちょっと濃くなっちゃいました。 塗装に入る頃には元の色を忘れており、ヘッドと同じ色だと 思い込んでました。 塗り上がってから補修前の画像を見て愕然・・・が、時すでに遅し。 とはいえ例によって水性ニスを使っていますので、塗り直しは さほど難しくないと思います。しませんけど(笑)
トップのクラックは完全には消えませんでしたが、波打ちやトップ落ちは なくなりました。 サイドの割れも目立たなくなりました。
ヘッドの先に3つ、打痕があったのでアイロン蒸気攻めで元に戻そうと しましたがうまくいきませんでした。その部分だけ塗装を剥がし色を 合わせてお茶を濁しました。 ちょっと段差ができちゃいました。
ポジションマークは ネイル用のシェルステッカーをポンチで打ち出して接着しました。 これが非常に厄介で、何度やっても割れてしまいます。仕方ないので いくつか作った物の中から程度の良い物を選んで貼り付けました。
ロゼッタが痩せて隙間ができていたので、UVレジンで埋めました。 分かりにくいですが透明な樹脂に埋まっています。 この素材はいいですね。適度な粘度で作業もし易いし、整えた後 UVランプに数分当てれば完全硬化します。模型用の光硬化パテと 違って表面もベタつきません。今後色々な場面で活躍しそうです。
弦を張り、いよいよ音の確認です。果たしてメロウなトーンとは どのような音なのか!?
・・・分かりませんでした。 そもそも『メロウなトーン』がどのようなものか知りませんでした(笑)
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.03.25 21:16:32
コメント(0) | コメントを書く |