カテゴリ:音楽
機を逃す事ン回。やっと手に入れたYAMAHA No.80ですが、 さすがに無傷とはいかず、そこそこよろしくない箇所があるので 直してあげる事にします。 といってもさほど工程は多くありません、ボディーの再塗装と ブリッジ4弦部の成型ぐらいです。
まずはボデイーの塗装を剥がします。 ブリッジとネックをマスキングし、中に紙を敷いて剥離剤をぺたぺた。 塗料が浮いてきたらスクレーパーで大雑把にすくい取り、残りは アセトンを染ませたティッシュで拭き取ります。
はい、綺麗に取れました。
同様にサイドとバックも
ぺろぺろりん。
おや? ヤスリ掛けの跡やケバ立ちでお肌が結構荒れています。珍しく 仕事が粗いですね、ヤマハさん。 軽くペーパー掛けして整えたらいつものように水性ニスで 塗装します。 スズキのNo.3である程度要領を掴んだので、エアブラシ塗装で シュー、っと。 トップは色を付けずにクリアーで。 水性ニスは薄めても結構粘りが強く、うちのローパワーコンプ レッサーでは塗料のダマができてしまうので乾燥後に耐水ペーパーで 軽く磨いてやります。
はい、できあがり。 同様の作業をサイドとバックに行います。 こちらは複数のニスを混ぜてネックの色を参考に調色します。
次にブリッジの4弦スリットを直します。 周囲をマスキングし、いつものエポキシパテで埋めて形を整えたら プラカラーで色を合わせます。 ちなみにこの作業、なぜトップ塗装の後にしたかというと・・・ 無塗装の板にマスキングテープを貼ると、作業が終わる頃には くっきりテープの跡が残っちゃうからだったりします。 どんな木材でもなるという訳ではないようです、主に松系の材で この現象を体験しています。
はい、できました。
弦を張って完成。 例によってテンション低目のGHSのクリアナイロン弦です。 お年寄りは労わらなくちゃね!
「綺麗だろ・・・これ、50年前に作られたウクレレなんだぜ」(CV: 三ツ矢雄二) 指板の杢目が美しいです。
エンブレムの打痕は元に戻らなかったのでそのまま上から 欠けた部分を塗りました。 まあやらないよりはマシという事で。
では音を出してみましょう。軽く鳴らしてみます。
・・・なんで? なんでヤマハのウクレレはこんなに大きな音が出るの? No.90もそうでしたが、まるで中に反響板が入っているかのよう。 正直ヤマハは好きじゃないんですが、認めざるを得ません・・・ 素晴らしい!
とはいえ欠点がない訳ではありません。 カマボコのような分厚いブリッジのせいで弦高が高いんです。 その為ハイフレットが押さえ辛く、音もシャープがち。 そのあたりの影響を極力抑えるべく サドルにオフセット加工をしてみましたが、多少は改善された もののぴったり合う所まではもっていけませんでした・・・残念。 当時はジャカジャカメインでこの程度の狂いはあまり問題では なかったのかな? 今風の弾き方をするにはせめてナット溝を削ってローフレット側の 弦高を下げる必要があるでしょう。できればブリッジももっと低く したい所ですが・・・
だめ、勿体なくて手を入れられない(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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