カテゴリ:音楽
良い材料に装飾てんこ盛り、それでいてお値段控え目な台湾・ ベトナム製ウクレレ。 人気が高くてもおかしくないはずなのですが、評価は芳しくありません。 一体どんな理由があるのでしょうか・・・
ズバリ、クオリティーの低さでしょう。 ネットの小さな画像や少し離れて見る分には申し分ないのですが、 ぐっと近づいてじっくり観察するとその造りの粗さが浮き彫りになります。
バインディングが一定の太さではなく、薄い部分にできた隙間を 埋めています。 そんのがなあちこちにあります。パーツと工作の精度が低いんですね。
ヘッドの分厚い突板。ナット付近で大きく削られて急に薄くなっています。 指板の縁もナット付近で削れています。 ぶつけたのかウロがあったのか、4弦下のサイドに埋め物の跡。 他にもちょっと目立つ擦り傷が付いていたりと、終始雑な扱いを受けて いた雰囲気を漂わせています。
艶消しなので気付きにくいですが、塗装もコッテリと乗っています。 ブリッジやネックの接合部等、角が丸くなる位。
一番の特徴であるシェルインレイも ズームすると
ボディーのインレイ埋め込み部が貝よりよりずっと大きく彫られており、 大きく空いた隙間を埋めた跡がはっきりと見えます。輝きの鈍い部分には 埋め物がうっすらかぶさっています。 足なんて線を書き忘れている?段差をなくす時に削ったら消えちゃった?
こちらもクチバシに埋め物がかぶさっていますね。 まるでミュシャの絵のような太い輪郭線ができてしまっています。 更に言いますと、絵が稚拙。 指板の方も
黒いので気付きにくいですが、極太の輪郭ができています。 しかも鷲に見えない(笑) 木も枝が切れているのでサンゴのよう。 写真では見えにくいですが、インレイにはヤスリ掛けの跡がしっかり 残っています。
このように細工はてんこ盛りなものの、その完成度がかなり残念な せいで今一つ評価が上がらないのであろうアジアンウクレレ。 音の方はどうでしょうか。ネットで「悲しい程音がいい」などと 書かれていますが・・・
音質はいいんですが、サイズの割には音が小さい? 弦はAquilaのNylgutなので申し分ないはず。だとしたら問題は・・・ ボディーをあちこち点検した所、板が厚い事に気付きました。 表板を測ってみた所・・・なんと3ミリ以上! テナーサイズなので強度を上げる為厚くなるのは当然ですが、 それにしても厚過ぎるのでは? 背板も恐らく同じかもう少し分厚いでしょう、インレイが入って いるんですから。 更に表板裏、サウンドホール両横に補強板。ホールからブリッジへ 放射状に3本のブレーシングもあります。 加えて前述のコテコテ塗装ですから板の振動が抑制され音が小さく なってしまうのも無理もない事で。 たまにしかケースから出さず、出しても眺めているだけな事が 多いのも原因の一つだと思いますが(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.03.26 13:16:13
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