カテゴリ:音楽
アジア製ウクレレに興味を持ち始めてしばらくの事。 オークションでふと1本のウクレレが目にとまりました。 メーカー不明、オール単板でトップはスプルース、指板にワンポイントの インレイ。 多少傷有りとの事でしたが、なかなか可愛かったので落札しました。
それがこちら。 バックのシマシマ模様が綺麗です。アカシアコアでしょうね。 ヒールには突板まで貼ってあります。 東南アジア3大?工房(サムズ、ブルースウェイアート、アントニオ)の どれかで作られたであろう事は想像がつきますが、残念ながら製造元を 示すものは何もありませんでした。
曲線で構成されたヘッド。 ここだけ見るとサムズ工房のような気がします。 角が欠けてます。前のオーナーさんはよく外に持ち出して弾いて おられたそうです。
ペグは重厚でしっかりした物が使われています。ゴトーで例えると UKAクラスでしょうか、なかなかスムーズに回ってくれます。 ごっつい突板。 小振りなヘッドなのでペグがやたら大きく見えます。
指板はローズウッド。ポジションマークや花(ハイビスカス?)の インレイはシェル。 古レレの細いフレットを見慣れた目にはまるでジャンボフレットの ように見えます。 ネックはサイズに見あわぬ分厚さです。ナット下で19ミリもあります。 アウロスから持ち替えるとそのギャップたるや相当なものです(笑)
2重のアバロンロゼッタがオシャレ。
耳付きな上ネジ留めなローズウッド製ブリッジ。100年経っても 大丈夫そう。 サドルはちゃんとオフセット加工されています。
マイファーストウクレレ、LUNA No.1とのサイズ比較。 大きなサウンドホールです。 サドルの位置を合わせてみました。丁度1フレットの分だけ スケールが短いです。 ナットからヒールまで、ほとんど太さの変わらないネックが特徴的。
ボディーサイズも一回り小柄。でもLUNAより重いんですよね、これ。
さて、音の方はどうでしょうか。出品者さんは「ラジオのような音」と 表現しておられましたが・・・ ・ ・ ・ まさしくその通りでした。 昔の携帯トランジスタラジオのような、淡泊で厚みのない音です。 ですがそれがまた面白くもあり、このウクレレの性格付けに 一役買っています。
でもなんでこんな音なんでしょう?通常より小さいとはいえそれなりの サイズはあるのに。
調べてみましょう。表板の厚みは・・・分厚いな・・・あれ? 何か断面のようなものが見えます。 鏡を入れてみると
ありゃま。 アバロンロゼッタの裏打ち補強用でしょう、サウンドホール周りに 板が1枚貼り付けられています。 次はブレーシングを確認。 表板は・・・サウンドホールの上下に1本ずつ・・・はいいとして、 縦に平行して3本! 山型に削ってあるとはいえこれはちょっと・・・やり過ぎでね?
この分だと裏板も・・・ まずはセンターに割れ止めが一本、他には横に・・・ 3本!?
おいおいおいおいおい、このサイズにこの本数はどう考えても 付け過ぎでしょ。 やいこら製作者! お前はブレーシングマニアかっちゅーの!! こんなハードにインナーボンデージされていたら鳴るわけない ですよね。
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最終更新日
2016.03.26 14:06:50
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