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2021.04.08
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梦回 dreaming back to the qing dynasty
第37話「証拠探し」

徳(トク)妃は四皇子を呼び出し、皇位を十四皇子に譲るよう命じた。
すると四皇子は最後にもう一度だけ自分を信じてくれないのか聞いてみる。
徳妃が即答できず黙っていると、四皇子はやはり母も父を殺したのが自分だと思っていると確信した。
「皇位は譲りません」
「譲らぬのなら兄弟の間で戦になるのよ?額娘に骨肉の争いを見せるつもり?!」
「母を同じくする弟、私を産んだ母、血を分けた親兄弟から皇位簒奪を謀ったと疑われたのです
 今さら肉親の情に訴えても無駄です!」
四皇子は父の遺詔により大清の国土も皇位も自分のもだと主張し、茗薇(メイビ)も殺さないと拒否して帰って行った。

徳妃は息子同士の対立に苦しみ、寝宮で仏壇に手を合わせていた。
すると茗蕙(メイケイ)がやって来る。
茗蕙の工作もあと一押し、そこで四皇子の簒奪も茗薇のためだったと吹き込み、兄弟の争いを避けるためには茗薇を排除するしかないと進言した。
しかしここに来て徳妃から思わぬ逆襲に遭う。
「どうしても茗薇を災いの元凶にしたいようね…知っているのよ?
 あなたが企んだ陰謀について問いただす気はないわ、でも貴妃との結託を私が知らないとでも?」
驚いた茗蕙はその場にひざまずき、これも胤禵(インテイ)のためだと訴えた。
遺詔が偽物だと公表すれば胤禵が正当な後継者になれるが、徳妃が発表すれば四皇子との関係に亀裂が入ると心配になって貴妃に頼んだという。
徳妃は胤禵を想うがゆえの行動だったと納得したが、今後は勝手な真似をするなと釘を刺した。
「でもあなたの言葉ももっともね、古来より女は災いの種とか…小薇が災いならやはり排除せねば」
すると茗蕙は自分が手伝うと申し出た。

その夜、十三皇子が書斎へ向かうと茗薇がいた。
「小薇、なぜ誓いの品を眺めている?」
「偶然、手に入れた灯籠が時空を越えるきっかけになったの
 でも四哥の即位は史実なのに、私のせいで紆余曲折が生じてしまった
 私がいなければ話は簡単に進んだのかも…」
茗薇は責任を感じ、十四皇子と話したいと頼んだ。
十三皇子は当然、反対したが、茗薇は十四皇子が茗蕙の策略に惑わされているという。
「胤祥(インショウ)、これは皇位争いだけでなく、私と茗蕙の争いでもあるのっ(๑•̀ㅂ•́)و✧ガシッ!」

翌朝、茗薇は十四皇子の軍営を訪ねた。
十四皇子は茗薇まで敵視することはなかったが、やはり四兄が父を殺して皇位を奪ったと信じ込んでいる。
そこで茗薇は、不自然なほどお膳立てが揃い過ぎていると指摘した。
「四哥が乾清(ケンセイ)宮を封鎖、直後に皇阿瑪が崩御して遺詔には血痕が…
 そこへあなたが兵と帰還なんて、何もかも出来すぎていると思わない?
 忘れないで、ここは紫禁城よ?
 皇位を狙う者は大勢いるのに、なぜかあなたに有利な状況が揃っている」
「つまり茗蕙の陰謀だと言いたいのか?」
茗薇は先帝と最後に面会したのは自分ではない可能性を示唆し、何より四皇子の逝去を悲しむ様子は演技に見えなかったという。
しかし十四皇子は茗薇の主観に過ぎないと否定し、証拠がなければただの憶測だとはね付けた。
茗薇はもはや証拠を探し出すしか方法がないと悟り、説得をあきらめて幕舎をあとにする。
十四皇子も黙って茗薇の背中を見送っていたが、ふと茗薇が立ち止まって言った。
「十四弟…知り合ってから私があなたに嘘をついたことがあった?」

茗蕙は茗薇が十四皇子の軍営を訪ねたと知って動揺した。
これまでも十四皇子は肝心なところで茗薇の味方をしている。
しかし十四皇子は案ずるなと言った。
「四哥には皇位を渡さぬ」

茗薇は自ら先帝の寝殿に忍び込み、十三皇子が見つけた証拠を手に入れた。
すると帰りの道すがら、順児は自分か七香(シチキョウ)に用命してくれれば、福晋(フジン)の手を煩わせずに済むという。
「指紋の採取には現代科学の知識が必要なのよ?大事な証拠なのに失敗したら大変でしょう?」
「でも福晋、現代とか科学とかって…何です?」
その時、偶然、納蘭(ノーラン)蓉月(ヨウゲツ)が前から歩いて来た。
蓉月は気まずそうに通り過ぎようとしたが、茗薇から声をかける。
「解毒薬をありがとう、助かったわ」
「いいのよ、力になりたくて…叔母も本気ではなかったはずよ」
「分かってる、宮中で私に悪意を持つ人は多い、でも味方がいることも分かったわ」
こうして茗薇と蓉月の長い諍いは雪解けを迎えた。

その夜、四皇子は十四皇子との対戦を前に十三皇子を呼んだ。
兵権を持っているのは十四皇子、しかも大軍には辺境で戦い抜いた精鋭が揃っている。
四皇子は禁衛軍では太刀打ちできないと考え、自分が負けた時は茗薇と逃げるよう命じた。
驚いた十三皇子は四兄と生死を共にする覚悟だと訴えたが、できれば戦わずに済ませたいと願う。
そこで真相を知らせて誤解を説けば、十四皇子も矛を治めると考えた。

十三皇子は配下を従え、十四皇子の幕営に忍び込んだ。
そこで天幕でちょうど3人だけになった将軍を急襲、拘束することに成功する。
十三皇子は噂を信じて挙兵すれば謀反だと戒めたが、将軍たちは四皇子を信用できなかった。
「十三爺、あなたは信頼できる、懐が広く心も清らかで皇位を奪う下心もない、だが四爺は違う」
将軍たちの決意を聞いた十三皇子はもはや戦いは避けられないと知る。
すると運悪く十四皇子が現れた。
十三皇子はどうしても戦うのかと聞いたが、十四皇子は自分ではなく四兄を説得すべきだという。
「噂はどうであれ、皇阿瑪は四哥を継承者にした、皇位簒奪はお前だぞ?」
「…腹をくくれ、今度こそ決着だ」
幼い頃から好敵手だった十三皇子と十四皇子、この皇位争いで2人の決着もつくことになる。
「手加減しないぞ?」
「十三哥…あとで私を恨むなよ」

一方、先帝の死に茗蕙が関わっていると疑う茗薇は、茗蕙の指紋を血の指紋と照合しようと考えた。
そこで十四皇府へ行くことにしたが、十三皇子がなかなか帰ってこない。
このままでは間に合わないと判断した茗薇は順児が止めるのも聞かず、正門を開けた。
するとなぜか四福晋が側福晋年(ネン)氏と妾室の夙敏(シュクビン)を従えて現れる。
どうやらおしゃべりな順児が四皇子の太監・全児(ゼンジ)に茗薇の計画を話し、筒抜けになっていたらしい。
「妹妹、1人で行くのは危険よ、証拠を探し出すにも時間がかかるわ、皆で協力しましょう」
福晋たちは自分たちも四皇子の無実を証明する手伝いがしたいと申し出た。

四福晋と夙敏が急に茗蕙を訪ねて来た。
当然、茗蕙は対立する四皇子の福晋たちの訪問を訝しんだが、四福晋は騒動の原因が十三福晋にあると切り出す。
茗薇の名前が出たことで警戒が解ける茗蕙、実はその頃、茗薇と年氏は茗蕙の居所に忍びこみ、指紋が残っていそうな物を探していた。



茗薇と年氏は無事に脱出した。
しかし回廊で年氏が盗んだ荷物を落とし、その音で侍衛に見つかってしまう。
客間にいた茗蕙も中庭の騒ぎに気づき、やはり四福晋たちが何か企んでいると分かった。

茗薇と年氏は侍衛たちに囲まれた。
そこへ茗蕙と四福晋たちが駆けつける。
「我が屋敷で盗みを働くとは…お前たち、捕まえて!」
すると茗薇がいざという時のために持っていた目潰しをばら撒き、その間に福晋たちと逃げ出そうとした。
茗蕙は思わず短刀を抜いて茗薇に襲いかかったが、過って四福晋の背中を刺してしまう。
その場は騒然となり、茗蕙も驚いて短刀を落とした。
年氏はどさくさに紛れて短刀を拾うと、早く四福晋を手当てしようと金切り声で騒ぎ立てる。
さすがに動揺した茗蕙は追求できず、茗薇を見逃すしかなかった。

↓(´◔_◔)これって…@年氏


四福晋は幸いにも命に別状はなかった。
茗薇は恩人である四福晋に感謝したが、あの混乱の中で結局、指紋の採取は絶望的になる。
すると年氏が手巾に包んだ短刀を出した。
「これは?落ちた時に拾ったの、指紋が必要なんでしょう?」

血の指紋と茗蕙の指紋が一致した。
しかし証拠を手に入れても茗薇の気分は晴れず、むしろ不安が募る。
「胤祥、私はずっと正義を信じて来た
 今でも300年後の未来でも同じ、恐れることなく危険なところへ飛び込んだりもしたわ
 でも今はとても怖い…
 四福晋まで傷を負うなんて、協力を断れば良かった、私は間違っていたのかも」
「君はとても勇敢だ、この紫禁城で欲望や権威に負けることなく、自分の本心に従っている
 君は間違っていない」
「でもそのせいで周りの人に危害が…それでも正しいと?」
「天は生き方にふさわしい報酬を与える、君は善良で人に対しても誠実だ
 ♪信じることさ~必ず最後に正義が勝つ~って言うだろう?」

その頃、四皇子は福晋に付き添い、献身的に介抱していた。
福晋は自分で薬を飲むと遠慮したが、四皇子は怪我人の福晋を世話したいという。
思いがけず四皇子の優しさに触れた福晋はこれまでの苦労が報われ、ふと頬を涙が伝った。

一方、決戦を前に十四皇子は屋敷の涼亭でひとり天子剣(テンシケン)を手入れしていた。
先帝は出征前の十四皇子にこの宝剣を授け、兄弟で力を合わせて大清の国土を守って欲しいと頼む。
十四皇子は当時の父の言葉をかみしめていた。
「…皇阿瑪、儿臣はご期待を裏切るやもしれません」
そんな十四皇子の様子を茗蕙が遠目から見ていた。
…明日になれば全て私の望み通り、残るはあの女だけね…

翌朝、茗蕙は武運を祈って十四皇子を送り出すと、密偵を呼んだ。
「決して誰にも見つからないようにね…」
「はい」
しかし2人の話を宦官が立ち聞きしていた。

茗薇は戦いを目前にした十三皇子に自ら煎じた薬湯を届けようとしていた。
すると突然、黒装束の賊が現れ、連れ去られてしまう。
やがて意識が戻った茗薇、そこに現れたのは十四皇子だった。

つづく


|ω・`)♪もしかしてだけど~もしかしてだけど~茗薇と十三皇子は記憶が戻ったんじゃないの?
絶対そうだろ?!(知らんけど…w





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最終更新日  2021.04.08 22:01:28
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