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カテゴリ:雲間の月は輝きて~運命の恋人~全40話
皎若云间月 Bright as the moon 第31話「さらなる濡れ衣」 息子を連れて里帰りした雲浅月(ウンセンゲツ)。 しかし祖父は孫への贈り物を買いに行ったきり戻って来なかった。 香荷(コウカ)は確かに遅すぎると気づいたが、そこへ使用人が慌てて駆け込んでくる。 「王爺(ワンイェ)が大変です!」 雲王府に傷だらけの御者が戻ってきた。 御者の話では馬車を何者かに奪われ、雲王が連れ去られたという。 しかし御者はすぐ気絶してしまい、詳しい話は分からなかった。 雲王への復讐のため王府を探っていた容景(ヨウケイ)は思いがけず雲王がさらわれたと知った。 仕方なく出直すことにしたが、隠れ家の後巷玉(コウコウギョク)府の前に馬車が乗り捨てられている。 弦歌(ゲンカ)が中を確認すると、驚いたことに気を失った雲王がいた。 秦玉凝(シンギョクギョウ)は三皇子の指示で雲王を連れ去り、容景の隠れ家に放置した。 手を貸した冷邵卓(レイショウタク)は三皇子に利用されているだけだと警告したが、復讐にとらわれた玉凝の耳には届かない。 「楽しい里帰りの最中に祖父が最愛の人の手にかかって死ぬなんてね…ふっ 今度こそあの男にたっぷりお返しができそうだ」 その頃、冷邵卓の手配で雲王府に矢文が放たれた。 文には″後巷玉府″とだけ書いてある。 浅月は後巷玉府が玉家の廃屋で、昔はごろつきがねぐらにしていた場所だと知っていた。 雲王が目を覚ますと、目の前に容景が立っていた。 「王爺、慕容一族を虐殺したのは何ゆえだ?…真実が知りたい」 「慕容家は投降を装って実際は淇(キ)国再興を目論んでいた… 成敗するのは当然のこと、恥じることはない」 雲王は自分が全て引き受けると覚悟し、容景と淇国の民たちの気が済むならば自分を殺してくれと言った。 しかし容景はふと違和感を感じる。 雲王は豪放磊落(ゴウホウライラク)だが簡単に命を捨てるはずがない。 「何か裏があるな?」 すると雲王は急に高笑いした。 「長く生きていると多様な人物に出会うが、その中で龍の風格を持つ者は2人だけだ 1人は新帝、もう1人はそなただ…淇国太子よ」 雲王は容景が淇国太子だと知っていた。 確かに淇国の滅亡も慕容家の惨殺も正義とは言えないが、聡明な太子なら気づいているだろう。 どんなに恨んでも不満を抱えても、時を戻すことはできない。 たとえ一時の是非を正したとしても報復の応酬は終わらないだろう。 「天聖の過ちを私が償うことができるなら、それこそ本望だ」 雲王は自分を犠牲にして怨恨を終わらせる覚悟だったが、その時、激しく血を吐いて倒れた。 「王爺!どうしました?!王爺!」 「わしはもうだめじゃ…唯一の気がかりは浅月のこと…2人に縁があったらまた一緒になるが良い その時は墓に酒を…そうすればあの世にも知らせが届き、安心できる…」 すると雲王は容景の目の前で息絶えてしまう。 実は秦玉凝は雲王が馬車で気を失っている時、先手を打って毒針を使っていた。 浅月と南梁睿(ナンリョウエイ)は後巷玉府に到着、手分けして屋敷を捜索した。 やがて浅月は祖父と容景を発見したが、祖父はすでに絶命したと知る。 突然の別れに祖父に抱きついて絶叫する浅月、容景は自分ではないと否定しようとしたが、その時、玉洛瑤(ギョクラクヨウ)たちが現れた。 容景はこれで復讐を止めるためにも自分が殺したと嘘をつき、官兵が来る前に去ってしまう。 すると遅れて南梁睿がやって来た。 「爺爺…」 その夜、雲王府は悲しみに包まれた。 浅月は食事も取らず、ただ黙って祖父の棺に付き添っている。 香荷は浅月の身を案じたが、南梁睿は妹の心痛を思うと声をかけられなかった。 すると昏睡していた御者がついに目を覚まし、南梁睿は祖父をさらったのが秦玉凝だと知る。 一方、官兵は容景たちを取り逃していた。 秦玉凝は落胆したが、三皇子へ報告に行くため冷邵卓とは大街で別れる。 しかし玉凝は突然、背後から襲われ、気を失った。 秦玉凝は顔に水を浴びせられ、驚いて目を覚ました。 見知らぬ部屋で拘束された玉凝、すると南梁睿がいる。 「誰かと思えば…ふっ、雲浅月の取り巻きか」 「誰の差し金だ?」 「容景以外に誰がいると?」 「お前が容景をはめたのか?」 「最愛の男が最愛の肉親を殺した…この結末はお気に召したか?ふっ、面白くなりそうだ 容景は雲王が慕容家を潰したと知った、このあと狙うのは雲浅月だろうな~ 全て話したぞ、縄をとけ」 玉凝は宰相の娘に手出しなどできないと高を括っていた。 しかし玉凝がいる場所は望春楼(ボウシュンロウ)より遥かに悲惨な場所だという。 「今日からここで死ぬほど踏みにじられるがいい…」 南梁睿が出ていくと、そこへ荒くれ者の男たちが入って来た。 翌朝、皇帝・夜軽染(ヤケイセン)は雲王府を訪ねた。 憔悴した浅月を心配した皇帝は皇宮に帰ろうと言ったが、浅月はどうしてもこのまま残って祖父を見送りたいという。 皇帝は仕方なく隠衛に雲王府の警固を任せ、帰ることにした。 南梁睿が王府に戻ると、浅月はまだ独りで棺に付き添っていた。 すると兄に気づいた浅月は自分のせいで祖父が死んでしまったと漏らす。 南梁睿は浅月とは無関係だと訴え、実は祖父が慕容家の虐殺に関わっていたせいだと説明した。 「復讐だった、奴はお前にも危害を加えるやも…」 「…哥、独りにして」 南梁睿は仕方なく出て行くことにしたが、秦玉凝のことは明かさなかった。 彩蓮(サイレン)は林の中で鳴り矢を放った。 するとしばらくして弦歌がやって来る。 実は弦歌は彩蓮と別れる時、何かあったら自分の弓を放ち、この場所で待つよう伝えていた。 再会を喜ぶ弦歌だったが、彩蓮は主が敵同士となった今、自分たちの関係もこれで終わりだという。 「小姐(シャオジェ)からの預かり物を届けにきたの」 彩蓮は小さな荷物を絃歌に託すと、後ろ髪を引かれる思いで帰って行った。 弦歌は急いで主に荷物を届けた。 容景はちょうど玉洛瑤と一緒にいたが、怪しまれないようその場で箱を開けてみる。 すると中には浅月の髪の毛と手紙が入っていた。 「殿下、もう後戻りはできませんよ?」 玉洛瑤は警告したが、容景は結局、その夜、密かに隠れ家を出て行ってしまう。 …薪を結び束ねれば 三星 天に在り …今宵 君と初めて会ったかの地にて見(マミ)えん 容景が竹林で簫を吹いていると剣を携えた浅月がやって来た。 「教えて、私に近づいたのは慕容家の事件を調べるため?」 「そうだ」 「私に殺されると分かっているのに来たのね?」 「分かっていた、だがまだ説明していないことがある… 昔、ある少女が私を救ってくれた、その少女をずっと探し続けてきた 目に浮かぶのは下弦の月のような眉目、泉のごとく清らかな笑顔…何年もの間、心に刻みつけてきた 運命はかくも人生を翻弄する、許されない愛と分かっていても、もがくほど深みにはまって行く 感情には抗えなかった、結局、自らのせいで罰を受けることに…」 「罰ですって?…笑わせないで、利用して捨てた者が自らの罰を語る資格などない 容景、まさかあなたのよう男を愛するなんて思いもよらなかった、バカだったわ 裏切られ、利用され、捨てられてようやく自分の愚かさに気づくなんて… 私への仕打ちはいい、でもなぜ家族の命まで?!」 「浅月…」 「浅月なんて呼ばないで!汚らわしい!」 浅月は代償を払ってもらうと迫り、容景の首に剣を突きつけた。 剣先は容景の首の皮をわずかに切り裂いたが、その時、隠衛たちが駆けつけ2人を包囲する。 すると皇帝が現れ、容景を捕えろと命じた。 容景の牢に皇帝が現れた。 皇帝は容景をすぐ殺さず、まずは地獄の苦しみを味わわせると脅す。 しかし浅月と一緒になれたもの容景のおかげ、皇帝は感謝していると言った。 「そなたの不実のおかげで浅月は目を覚まし、朕は恋焦がれた女子を皇后とすることができた」 つづく ( ̄▽ ̄;)何という展開…これは脱落者、続出でしょうか? 弦歌だけは裏切らないで欲しいわ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.01.22 23:56:23
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