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2023.02.16
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カテゴリ:玉昭令 全52話


玉昭令 No Boundary Season 2
第19話

暴走する江文卿(コウブンケイ)を討つため立ち上がった三族。
神仙たちが結界で人間界を守る中、端木翠(ダンムーツェイ)、展顔(ヂャンイェン)、紅鸞(コウラン)が江文卿に戦いを挑んだ。
しかしその圧倒的な力を前に苦戦を強いられ、果敢にも攻撃を仕掛けた紅鸞が殺されてしまう。
「グフッ…私は結局、命を落とす運命なのね…端木、心残りは温孤(オンコ)のこと…
 私の代わりに面倒を見てあげて、お願い…」
すると紅鸞は桃花となって散って行った。
悲しみに暮れる端木翠、その時、江文卿が今度は展顔を神剣で突き刺し、掌(ショウ)を放って吹き飛ばしてしまう。
「展顔!」

端木翠は深手を負った展顔を抱き起こした。
すると江文卿が養子である2人の仕打ちに憤る。
「失望したぞ!誰に恨まれようと理解されまいと構わぬ!
 しかし私に育てられたお前たちが私を支持しないばかりか、いつも刃向かってばかりだ!」
しかし端木翠は義父が神仙とは全ての命を愛する存在だと教えてくれたと訴えた。
「義父の名をかたり、あなたは何をしているの?
 今や神仙たちはあなたを恐れ、人族はおびえ、幽族にも恨まれている
 しまいにには愛してくれる妻まで殺すなんて…これが望んだ結果なの?!
 ごらんなさい、この有り様を!これがあなたの望んだ世界なの?!」
「…これがすべて私の所業だと?」

江文卿は動揺した。
三界が幽毒で滅びる様子を目の当たりにし、罪滅ぼしのために時を戻したはず、それが今や自ら全てを破壊しようとしている。
その時、江文卿の脳裏に自分の悪行の数々が蘇り、蓬莱図が反応した。
しかし魔道に落ちた江文卿は蓬莱図をねじ込み、最後の良心まで打ち消してしまう。
「間違っているのはこの世の方だ!今日こそこの手で全てを消し去ってやる!」
端木翠と展顔は呆然、もはやなす術なく途方に暮れた。

江文卿は空中に舞い上がり、その凄まじい力で黒洞を作った。
黒洞は激しい風を巻き起こし、三界を破壊しながら飲み込んで行く。
結界が壊れた人間界は人々が逃げ惑い、最後まで民を守ろうとした捕吏たちが次々と倒れた。
しかし三族はあきらめず、力を合わせ懸命に祈りを捧げ続ける。
するとやがてその祈りが強い力となり、自然と湧き上がり始めた。
「心力よ、三族の心が1つに…展顔、私たち助かるわ!」
「端木、法陣を敷き、術で心力を集めろ、江文卿は私が引き受ける」
展顔はこれが最後の別れになると覚悟し、端木翠に口づけした。
「端木…ウォアイニー、君には生きて欲しい」



展顔は重い身体を引きずりながら、江文卿の黒洞へ飛び込んで行った。
しかし巨闕(キョケツ)で戦いを挑むも、あっけなく捕らわれてしまう。
その時、端木翠が現れ、神剣を招喚した。
神器の名前は玉昭令。
実は決戦の前、端木翠と展顔は三族の心力で作った神器で江文卿を討とうと決めていた。
「…ふっ、心力で私を討つなど甘いわ、身の程知らずめ」
端木翠は玉昭令を放ったが江文卿に跳ね返され、反噬で深手を負ってしまう。

その頃、人間界では江文卿と対峙する端木翠に力を送ろうと三族が懸命に祈りを捧げていた。
端木翠はその心力を玉昭令に集め、再び江文卿に放つ。
するとついに玉昭令が江文卿の心臓に突き刺さり、その機に乗じて展顔が背後から襲いかかった。
「義父…育ててもらった恩はあの世で返します」
玉昭令と巨闕に刺された江文卿は激しく血を吹き出し、そのまま地上へ落ちて行った。
しかし力尽きた展顔も気を失い、巨闕と共に落下してしまう。

江文卿は祭壇で倒れていた。
すると身体から切り離された蓬莱図が現れ、天に返ってしまう。
その時、江夫人の残像が現れた。
江夫人は夫に手を伸ばしたが、江文卿がその手をつかもうとしたその時、残像は消えてしまう。
「そう言うことか…私が江易ではなく江文卿だからか…天道が選んだのは私ではない
 私は江易の記憶を共有しただけ…それなのに己を世を救える選ばれし者だと盲信していた…
 クックック…今さら後悔しているとは…」

人間界は暗雲が晴れ、全てを浄化するかのように雪が降り始めた。
人々は江文卿との戦いに勝ったと気づき、歓喜に沸く。
一方、草盧では紅鸞に眠らされていた温孤がようやく目を覚ましていた。
すると枕元に桃花をかたどった香袋が置いてある。
「紅鸞、君の帰りを待っているよ」
温孤は香袋を握りしめ、部屋から雪が舞うのを眺めていた。

端木翠は雪山で展顔を探し回っていた。
すると亡くなった江文卿から離れた神位が現れ、端木翠の身体に戻る。
再び永遠の命を得た端木翠は美しい黒髪を取り戻したが、その時、降り積もった雪に突き刺さる巨闕を発見した。
端木翠は近くに展顔が埋もれていると気づき、必死に雪をかき分け展顔を見つける。
「展顔!…お願い、目を開けて!…一緒に帰るのよ、展顔!」
端木翠は展顔を抱きしめ号泣、その時、展顔の意識がうっすら戻った。
「端木?…せっかく眠っていたのに…私を呼ぶ姑娘の声が聞こえた…うるさくて目が覚めた…
 端木…君はまるで子猫みたいだな…グハッ…」
しかし展顔は激しく血を吐き出し、ぐったりしてしまう。
「私は…もうダメだ…前に聞いたんだ…人は死ぬ前に色々なことが走馬灯のように蘇ると…
 何度も君の顔が浮かんだ…君には私しかいないのに、私が死んだら君はどうなる?
 …君みたいな短気な神仙、私の他に誰が相手をしてくれる?…君が辛い時は誰が支える?
 私は運に恵まれないといつも不安だった…もう君を娶れず、守ることもできそうにない…
 どうやら不安は的中した…端木…できるなら残った私の運気を君の安寧に変えたい…」
「何もいらない…ただあなたに生きていて欲しいだけ…」
…端木、すまない…
展顔はそっと目を閉じると、そのまま愛する端木翠の腕の中で事切れてしまう。
「展顔?…展顔!うわぁぁぁぁーっ!」

。・゜・(ノД`)・゜・。


その頃、楊鑑は死闘を制した端木翠を心配し、小天(ショウテン)と一緒に郊外まで探しに出かけた。
すると激しい雪の中、突然、一筋の光が上がる。
「いかん!…生死盤(セイシバン)を使う気だ!」
楊鑑と小天は慌てて光の方角へ駆けつけると、端木翠はすでに自分の血を使って陣を敷いていた。
「端木!命の入れ替えをするな!失敗すれば何も変わらない!天罰が下るだけだ!」
「どんな罰も受けてたつわ!」
その時、端木翠めがけて天雷が落ちた。
楊鑑は義妹を助けようと結界を破ろうとするが、弾き飛ばされてしまう。

端木翠は生死盤で自分の命を展顔に与えた。
すると展顔が言っていたようにこれまでの2人の道のりが走馬灯のように蘇って来る。
…魂に意識があるとすれば、死んでも互いを忘れないはず
…展顔、私の代わりに生きて
端木翠はその場で膝をつくと、力なくうなだれた。

つづく


( ;∀;)ぁぁぁぁぁ〜そんな〜って…ちょっと待って
なに突然「神器の名前は?」(せーの)「玉昭令!」って…
全く意味不明なんですけど ←ここまで来てこれ?w





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最終更新日  2023.02.16 22:09:46
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