テーマ:原発を考える(30)
カテゴリ:原発
TBSラジオ『小島慶子・キラキラ』の中のコーナーで、僕の尊敬する、アメリカ在住映画評論家・町山智浩氏が、原発事故についてコメントをしている。 ボッドキャストはこちら http://podcast.tbsradio.jp/kirakira/files/20110318_machiyama_pate.mp3 この中でリクエストした、RCサクセションの曲が『SUMMER TIME BLUES』 忌野清志郎が、悪性リンパ腫で命を落としたのが、一昨年の5月。 放射能でガンになりたくねえと歌いながら、結局ガンに散ってしまった。 この曲は1988年、東芝EMI(現・EMIミュージックジャパン)から発売する予定が、"反原発"を扱った内容のため親会社の東芝からクレームがつき発売中止になり、レコード会社を変えてようやく発売にこぎつけたカバーアルバム『COVERS』の中の問題(?)作。 オリジナル歌詞: E. Cochran & J. Capehart 東芝が圧力を掛けたのは、原発の原子炉の製作に携わっていたからだ。 今回の福島原発事故の様子が、当初日本のマスメディア経由では正確に伝えられなかった。 "東京電力"が新聞テレビの大スポンサーだったからだ。 NHKだけは爆発の映像など早くから公表していたようだが、民間系のメディアは横並びに真実を伏せていた。 スポンサーの縛りを受けた報道は、もはやジャーナリズムとは言えない。 政府の発表に質問をぶつけない"記者クラブ"も国民の知る権利を妨害している。 原発事故が世界に発信された瞬間に、一斉に国外避難を始めた外国人の行動を見れば、国内と世界とのニュースの内容に隔たりがあったのは歴然である。 中国や北朝鮮の報道規制を非難していながらこの有様である。 日本は民主主義国ではなかった。 それでも中国・北朝鮮のトップは、公表しないだけで、実際はかなりの情報量を持っているはずだ。 日本の問題は、トップに情報が集まらないということだ。 縦割り行政の弊害で、情報が途中でストップしてしまう。 面子なのか、知恵のなさなのか、自分の足元しか気を配らない奴が途中にいて、事なかれ主義で情報を握りつぶす。 新聞テレビのみで情報を得ている人と、インターネットやツイッターから情報を得ている人とでは、量・質ともかなりの差がある。 菅直人がツイッターをやっていれば、いち早く災害のスケールが伝わり、対処方法が変わっていたはずだ。 情報収集能力の差で、多くの人の命が潰えてしまった。
ハリソンフォード主演映画『K-19』のあらすじはこちら http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD2484/ 2002年公開の映画で、恥ずかしながら僕は知らなかった(結婚後の生活の変化で、’90年以降の映画はほとんど見なくなってしまった)。 実話であった1961年の事故についても知らなかった。 5歳の時のことなのでリアルタイムでは知る由もないが、たとえ後に知ったとしても、ソ連ならではの杜撰な事故、という印象しか残らなかっただろう。 原子力について、いつのまにかフィルターが掛けられてしまっていた。 事故の修理に当たった8人は、一週間以内に全員被爆により死亡した。 原子炉事故は、間違いなく人を殺す。 どんなに最善の努力をしたところで、いったん事故を起こせば、確実に多くの人の命が失われる。 調べてみると、原子力潜水艦K-19はこの事故の後も、69年72年91年と事故を起こし続けていた。 そのたびに地球規模で危機を迎えていたわけだ。 ソ連という情報操作の国の出来事であり、また“反原子力”運動に使われかねない内容であったため、封印された歴史だったのかもしれない。 ちなみに監督のキャスリン・ビグローは昨年のアカデミー賞レースで史上最高収益の『アバター』を振り切り、『ハートロッカー』で作品賞・監督賞以下6部門を制した。 ちなみに『アバター』の監督のジェームズ・キャメロンは元夫。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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