テーマ:原発を考える(30)
カテゴリ:原発
小泉純一郎元総理が、最近脚光を浴びています。 それは「原発ゼロ」発言を繰り広げるようになったからです。 総理在任中は、自民党の方針通り原発を推進していたわけですが、ここに来ての変身です。
「経済界では大方が原発ゼロは無責任だと言うが、核のゴミ処分場の当てもないのに原発を進める方がよほど無責任だ」 (その通り!)
「原発の必要論者は『将来はゼロにするほうがいいが、今はダメだ』と言う。しかし、早く方針を出したほうが企業も国民も原発ゼロに向かって準備も出来る。努力も出来る。研究も出来る」 (賛成!)
「今こそ原発をゼロにするという方針を政府・自民党が出せば一気に雰囲気は盛り上がる。そうすると、官民共同で世界に例のない、原発に依存しない、自然を資源にした循環型社会をつくる夢に向かって、この国は結束できる」 (頑張れ!)
なぜ小泉氏がこのように方向転換したのかと言うと、「原発はクリーンでコストも一番安いという専門家の意見を信じてきたが、東日本大震災が起きて、原子力を人類が制御できるか大きな疑問を抱いた」そうです。
そして、8月に再生可能エネルギー普及を目指すドイツと、フィンランドの核廃棄物最終処分場(オンカロ)を視察して、はっきりと考えを変えました。 オンカロについては2年前に書きました。 http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/201108260000/
オンカロとは・・・フィンランドのオルキルオト島に建設中の核廃棄物最終処分場です。 「処分場」といっても、ここで"処分"するわけではありません。 地中奥深く(520メートル)に厳重に保管、満杯になったら封鎖して立ち入り禁止にし、危険が弱くなるまで待ちます。 どれくらい待つのかと言うと10万年。 今から10万年前はネアンデルタール人やクロマニヨン人の頃ですから(我々新人はたかだか1万年)、10万年後の地球は違う人類か、はたまた宇宙人が支配していると考えられます。 それだけ途方もない施設がない限り、原発は稼働してはいけません。 原発から生み出される核廃棄物は、人類が作った猛毒だからです。 でも火山国で地震国の日本では、地下施設を作っても安心できないのでオンカロは不可能なのです。 これを見て小泉元首相は、日本の選ぶ道は原発ゼロだと悟ったのでしょう。
この時一緒に視察したのが、三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部が同行していました。 その幹部が、「あなたには影響力がある。 考えを変えて我々の味方になってくれませんか」とささやいたそうです。
「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。 今回いろいろ見て、『原発ゼロ』と言う方向なら説得できると思ったな。 ますますその方向が深まったよ」
小泉元総理と同じように欧州を視察後、脱原発に舵をきった大物政治家が、かつてのライバルだった小沢一郎です。 今ではすっかり影の薄くなった小沢一郎ですが、「冷静に日本を考える人であれば、たいてい行き着く結論だろう」と生活の党の政策でもはっきり脱原発を謳っています。 90年代以降の日本政界を先導し、あるいは揺るがしたふたりが同じ"脱原発"で手を結ぼうとする姿は、とりあえず歓迎するところです。 あとは安倍首相が決断すればいいのです。
「今ゼロと言う方針を打ち出さないと、将来ゼロにするのは難しいんだよ。 野党はみんな原発ゼロに賛成だ。 総理が決断すりゃ、できる!」 (そうだ-!)
自民党ではかつてより河野太郎が脱原発論者で、最近はその勢力を広げています。 もう一度、原発とは何かをお勉強しましょう。
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最終更新日
2013年10月11日 15時26分18秒
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