テーマ:原発を考える(30)
カテゴリ:原発
主演が役所広司、共演に団田安則、平田満、吉田日出子、岸辺一徳などそうそうたる名優の並ぶちゃんとした映画ですが、公開まで2年の歳月がかかり、それも東京の2館だけだったという悲惨な運命を背負った名作です。
監督の山川元は、鈴木清順、降旗康夫、伊丹十三、周防正行などの助監督を務めた実力派監督で、松坂慶子主演の『卓球温泉』が代表作でした。 公開まで2年が費やされたということは、原子力村からの圧力があったからで(あるいは原子力村に配慮して)、当然原子力村に楯突いた理由により、山本監督はこの後一本も撮らせてもらえなくなりました。 『太陽を盗んだ男』(1979年)の長谷川和彦監督もその憂き目にあいました。
公開された2004年は、当然2011年の福島原発事故よりも前だったわけで、もしもみんながこの映画を通じて原発の危険性を感じて、なにか行動を起こしていれば、事故は避けられていたかもしれない。 ”もしも”ですが・・・。 冒頭の画像のシーンで語られているように、この映画は「阪神淡路大震災」後のものです。 当然全国の原発は阪神淡路大震災後に、この時関西を襲った震度”7”を想定して強度の検査を行って手当てをしたと思いました。 なのに福島第一原発は、震度6強で壊れたのです。 東電の広報ではあたかも1000年に一度の大津波で壊れたかのように伝わっていますが、事実は違います。 原子炉の底が割れたのは地震が原因であり、その後の爆発は、地震による送電線の倒壊と、浸水による非常用電源水没による全電源喪失が原因でした。 「事故調」によると、津波は建物に影響を与えていませんでした。 つまり、東電あるいは国がちゃんと調べていれば、阪神淡路級の大地震に見舞われれば、福島第一原発はひとたまりもなく崩壊し、最悪の事態に至ることも解っていたのです。 なのに東電も国も、何もしなかった。 そこが問題だと思います。 危険だと知っていながら、当事者が他の影響を慮って、やるべき行動をとらなかったということが現実にあったならば、今後も必ず繰り返されます。 信用できないものは、やめるべきです。 スリーマイル島、チェルノブイリ、フクシマと3回臨界事故を起こして(ほぼみんなヒューマンエラーのようなもの)、それで学習できなければ必ず又事故は起きます。 この映画の中で、放射性廃棄物(死の灰)問題がすでに語られています。 あれから10年たっても、プルトニウムの最終処理場については解決の糸口もないままです(状況はむしろ悪く進みました)。 原発がなくても電力不足にならないことも、明確に説明しています。 このことを知っていれば「計画停電」などという、詐欺まがいの芝居はできなかったはずです。 10年前と今が違うのは、地球のエネルギー問題が様々な形で解消されつつあるということです。 アメリカはシエールガスの採掘成功で、産油国になりエネルギー輸出国になります。 さらにこの技術が世界に広がれば、地球上の5大陸の多くはシエールガス産出可能になります。 日本は微妙ですが、メタンハイドレートが成功すれば資源国に転換します。 そもそも日本に豊富にある”地熱資源”を活用すれば、輸入に頼らない自前のエネルギーを調達できますし、究極のエネルギーといわれる”マグマ発電”が出来れば、エネルギー問題は過去のことになるでしょう。 ”マグマ発電”に関しては、今年1月にアイスランドがマグマポケット(地下5000メートル以内のマグマ溜まり)を掘り当て、実用化へ進んでいます。 日本でも国内のマグマ発電能力は日本の全電力需要の3倍はあると、経産省が1995年に発表しています。 地熱発電所は作ってしまえば運営経費は格安ですし、人手もいりません。 超クリーンエネルギーなので、”地球温暖化”詐欺(CO2による地球温暖化は嘘です)の連中も黙らせます。 解っていたのですが、原子力村の圧力で封印されていました。 1970年代に起きた「石油危機」により、拍車がかかった原子力発電でしたが、時代は変わったのです。 利権のしがらみを断ち切って、未来の日本のために決断するべきだと思います。
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最終更新日
2015年03月10日 18時50分09秒
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