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カテゴリ:読書
「風と雲の武士 河井継之助の士魂商才」稲川 明雄 著
昨年の12月に発売されているので新刊とは言わないのかもしれないが稲川先生の最新著書である。 先生の河井継之助を書かれた本はほとんど持っているつもりで、新刊が出るとためらいなく購入してきた。 今回も年明けに手に入れて2週間程で読み終えた。 稲川先生は継之助の出生地 長岡に根付いて地道に著作活動や河井継之助記念館館長をされていて、郷土が誇る英雄の深層を追及されている。 「風と雲の武士」には新たに発見された資料をもとに、今まで知られざる継之助の行動が披露されていて新鮮な感動を覚える内容であった。 河井継之助の本として有名なのは司馬遼太郎の「峠」になるだろう。 「峠」は何度も読み直しているが、その度に感銘深く読み進めて、司馬さんらしい読者を惹きつける小説に仕上がっていて素晴しい。 稲川先生の著書は克明に調査された努力の結果が表れていて、先生の人柄とともに強く惹きつけられる。 小説家ではない稲川先生は淡々と事実の積み重ねの上に組み立てておられるので、本としての面白味に欠けるところはあるけれども継之助ファンにとってはそれが魅力だと思う。 今回の作品では多くの資料を基に継之助の心理を想像して、彼の行動の原理を探っているようなところが多く見受けられ、これまでの稲川作品とは一味違った内容になっていたと思う。 稲川先生には数回お会いしたことがある。素朴で飾らない人柄は1度会っただけでファンになってしまった。 その先生に今月 司馬遼太郎の菜の花忌で会うことが出来る。 親しくお話が出来るかどうか分からないが、只々先生に会えるのが今から楽しみである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年02月03日 11時02分41秒
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