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テーマ:ワイン大好き!(30337)
カテゴリ:建築・都市・建築家
日経新聞で、植物学者の岩槻邦男氏が、 里山は古人の「環境創成」であり、 植物との共生が重要であることを説いている。 里山は古人が生んだ理想的な開発システムだと主張し 新石器時代に始まった「環境創成」だと思っているという。 放置された里山は、400年くらいの時間をかければ 原始の姿に戻るが、しかし、 里山の中で進化してきた生物は生きのびる事は できないという。 自然に戻ることが植物を絶滅に追いやるという 逆説である。さらに、移行の過程で生態系が 不安定になり、クマやシカが異常増殖する などの恐れもあるという。 里山を含め日本の自然を保全するために、 どうしたらいいか、古人が里山や 田園地帯を作り出したように、 「新しい環境創成」のありようを みんなで考えるべき時だと思うという。 自然は、太陽エネルギー(負のエントロピー) が引き起こす、水と大気の大循環のサイクルにのり 物質の変化のエントロピー(正のエントロピー) を大気圏外に自然放出出来るシステムにのっとっていれば、 死に至らない生命のあるシステムを構築できる。 この手のシステムが構築できないときには、 自然や植物や生命は自然淘汰されるようになっている。 システムの構築方法にはいろいろあり、 植物の生み出す生態系にも、 里山や田園地帯や自然林などがある。 しかし、自然状態からそうして作られた生態系が あまりの短時間で形成されたのであれば、 水と大気の大循環システムにのらずに、 淘汰される可能性が高くなる。 また、そうした生態系が他のシステムに 地球温暖化などのように変化を強要されるときに、 そうしたシステムは淘汰される可能性が高くなる。 すなわち、或一定以上の長い期間をかけて、 大事に生成移行されて出来上がった 生態的システムならば、 その状態が続いている限りにおいては、 淘汰される可能性が低い訳である。 そのようにして、長い時間をかけて 生成されてきた生態的システムが 里山や田園地帯や自然林などであるわけである。 そうして、時間をかけて作られたものが、 産業革命いらい200年程度の間に、 急速に人類により進められた 地球温暖化などの資源・エネルギー・環境問題 の場合には、システム変更の生態的対応ができず、 システムの構成物である植物などや、システムである 生態系自体が淘汰されてしまうのである。 この事態を回避するためには、 1)システムを改変するのに十分な時間が与えられる事、 2)システムを改変するのに生態系がくずれないように 十分な配慮とメインテナンスと改良が とめどなく繰り返される事。 3)システムが淘汰されても、新しい生態的 システムを新たに時間をかけて生成させる 努力を怠らない事。 などの方法が考案、実地されなければならないのであろう。 里山が里山であり、田園地帯が田園地帯であり、 自然林が自然林でありつづけるためには、 水と大気の大循環システムによる 大きな流れの中に乗りながら、 部分としてのシステムが 全体としてのシステムである地球環境システムとの間で、 美しい入れ子構造になるシステムの一部を構成する そういう連鎖反応的、生態的システムとして 機能する事が必要であろう。 局部的な、応急処置の連鎖だけでは、 こうした美しいシステムとしての 地球環境システムを構成するのは 難しいであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 6, 2007 12:46:21 AM
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