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このユーヴェ対ミラン、一応、スクデットの行方を決定的に左右する、一年の計ともいうべき直接対決だったわけですが、この時点で勝ち点差がすでに10もあって、引き分けでもOKのユーヴェと、勝ってもなお7ポイント差で何とか希望をつなぐという以上は期待できないミラン、というぬるい力関係を反映した、退屈で見どころに欠ける一戦に終わりました。 トリノのスタディオ・デッレ・アルピは、6万7000人のキャパがあるのですが、この日の観客は3万9000人と、たった半分強の入り。チケットが、一番安いゴール裏で50ユーロ(約7000円)という非常識な高さだったこともありますが……。 上の写真は、試合開始10分前のスタジアムです。試合後の記者会見で、スペイン人の記者がミランのアンチェロッティ監督に「スペインだったらこういうビッグマッチには8万、9万の観客が入るが、これはどういうことなのか?」と訪ねていました。「我々のホームであるミラノのサン・シーロはいつも満員ですが何か?」というのが名将のお答え。 実際、デッレ・アルピは客の入りが悪いことで有名です。これ↓は、11月に行われたCLグループリーグの大一番、ユーヴェ対バイエルンのバックスタンド。 あり得ないくらいの空席。この日の観客数は2万人くらいだったと思います。これと比べたら昨日は大分ましでした。 とはいえ昨日、スタジアムの記者席でご一緒した日本サッカージャーナリズム界の重鎮・後藤健生さんは「いやあ、この試合日本でやってくれたら、一番安い席が1万5000円でも満員になるのに、勿体ないなあ」とおっしゃっておられましたが。□ (追記) このスタディオ・デッレ・アルピ、トリノ市の所有なのですが、ユヴェントスが99年の貸借権を手に入れており、今シーズン終了後から2年かけて大改築される予定になっています。邪魔な陸上トラックを取り払い(ピッチの向きを90度変えるという話もあり)、キャパも現在の6万7000から3万5000程度まで落として、その代わりに快適性を大幅に高めた最新鋭の設備にしようという目論見(チケット代の高騰は必至)。スタジアムの改装で収容人員を半分強まで落とすというのは前代未聞ですが、まあユーヴェの場合、それしか集客力がないのだから仕方ありません。 イタリア人の半分から嫌われている(=半分から愛されている)と言われるほど、全国レベルでは圧倒的人気を誇るユーヴェですが、地元トリノでは、もうひとつのクラブであるトリノ(現在セリエB)と人気を二分しており、集客力もほとんど変わらないのが現実です。ただ、最近はずっとトリノが弱いので、子供たちはみんなユヴェンティーノだという話もあり。10年後、20年後には、スタジアムをまた改装してキャパを拡大しなきゃならなくなるのかもしれません。 ちなみに、デッレ・アルピの改装中は、そのトリノが来シーズンから本拠地とすることになったスタディオ・オリンピコ、つまりトリノ五輪の開会式で使われたスタジアムで、ユーヴェのホームゲームも行われることになっています。 このスタディオ・オリンピコは、元を正せば、デッレ・アルピができる90年までユーヴェとトリノが本拠地にしており、その後は2004年までユーヴェが練習場として使用していたスタディオ・コムナーレを改装したものです。つまり、ユーヴェとトリノは、16年ぶりにかつてのホームスタジアムに戻って戦うことになるわけです。後藤健生さんは、かつてのコムナーレで80年のヨーロッパ選手権を観戦したそうです。年季が違いますね。□ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.14 19:13:29
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