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片野 道郎

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2006.03.16
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火曜日はCLラウンド16で唯一残っていたインテル対アヤックスを取材。スコアは1-0でしたが、内容は、イタリアの新聞でよく「ピッチ上にはひとつのチームしかいなかった」と書かれる類いの、まったく一方的な展開。あれだけ攻め立てて1点しか取れないってのは一体何なんだ、という試合でした。理由はわかってるんですけどね。

その会場になったミラノのサン・シーロでは、翌水曜日に、デメトリオ・アルベルティーニの引退試合が行われました(昨日はスタジアムには行かなかったので、写真は以前に撮ったミランのゴール裏を。巨大な横断幕には「クルヴァと共に闘え」と書いてあります。クルヴァはゴール裏のことね)。
さて、御存じの通りアルベルティーニは、コスタクルタ、マルディーニと並ぶミラン生え抜き最後の世代。87-88シーズンに17歳でミランのトップチームにデビューして以来、01-02シーズンまで14年間に渡ってミランでプレー、ライカールト、デサイー、アンブロジーニとパートナーを変えながら、常に攻守両面を支えるキープレーヤーとして、ミランの中盤に君臨しました。

しかし、そのキャリアの晩年は、決して恵まれたものではありませんでした。まだ31歳だった2002年夏、あと1年契約を残していたにもかかわらず、突然ミランから戦力外を通告されてアトレティコ・マドリードにレンタル移籍。その翌年はラツィオ、そして昨シーズンはアタランタと、所属するクラブの格を下げながらプレーを続けることになりました。
そのキャリア最後の一花ともいえるのが、昨シーズン後半のバルセロナでした。昨年1月、かつての僚友ライカールトの要望を受け、アタランタとの契約を解消して移籍。出場機会は決して多くありませんでしたが、ロッカールームのまとめ役として、チームの誰からも尊敬される存在だったといわれます。
ところが今シーズンは、レンタル先から戻ってきたカンテラ出身の若手に押し出される形で、確実と思われたバルサとの契約更新がご破算に。それが確実になった8月半ばの時点では、すでに納得のいくオファーを得ることは難しく、結局そのまま引退に追い込まれることになってしまいました。

ベルルスコーニ体制になってからのミランは、クラブに栄光をもたらした主力選手に対しては、常に手厚い扱いをもってその貢献に報じてきました。ほとんど出場機会のないシミッチをチームに残して、ディフェンス陣の若返りを先送りしたという事実が端的に示すように、本人が望まないのに移籍を促しチームを追い出すことは、ほとんどなかったと言っていいでしょう。
アルベルティーニは、その中で唯一の例外でした。10年以上に渡ってチームの主軸として活躍し、イタリア代表でも79試合出場(歴代7位)を記録したほどの選手を、ミランは唐突に切り捨てたのです。そこには間違いなく、何らかの(かなり重大な)理由があったはずですが、その真相は今なお謎のままです。ぼくもミランの関係者(監督、選手、スタッフ)に何度か訊ねたことがありますが、誰もが言葉を濁したものでした。もちろん本人も「わからない」としか語ろうとはしません。

しかし、「My Way」という恥ずかしいくらいベタなタイトルがつけられたこの引退試合を主催したのはミランです。両者の間に(というか少なくともアルベルティーニの側に)何がしかのわだかまりがなかったはずはないと思うのですが、それももう終わったこと、すべてを水に流して、アルベルティーニがミランで残した功績を賛え、引退の花道を提供しようということなのでしょう。ガッリアーニ副会長は「ライカールトやアンチェロッティ、ファンバステンを初めとするOBたちのように、監督への道を歩むつもりなら、その第一歩として育成部門の監督のポストをいつでも提供するつもりだ」と語っています。

このイベントは、アルベルティーニがいかに周囲の仲間から尊敬され愛されてきたかが、はっきりと伝わるものになりました。目玉になったのは、彼が所属した2つのビッグクラブ、ミランとバルセロナの現役、OBによる親善試合。2つのクラブの過去と現在のスターたちが、一人残らず、と言ってもいいほど、サン・シーロのピッチで一堂に会したのです。集まった人々の名前を、全部は無理なので一部だけでも挙げてみましょう。現役組を含めると、バロンドールが何と7人!
ミランOB:バレージ、ファン・バステン、ライカールト、グーリット、ボバン、パパン、デサイー、ウェア、マッサーロ、エヴァーニ……(監督カペッロ)
バルサOB:ストイチコフ、ナダル、ラウドルップ、スビサレータ、フリオ・サリナス……(監督クライフ)
呼ばれたけど来なかったのは、ロマーリオ(ブラジルで現役続行中)とバッジョ(アルゼンチンでハンティング中)くらい。
現役組はもちろん両チーム全員集合。バルサも、故障中のメッシやシャヴィを除き、ロナウジーニョ、エトー、デコ、ジュリ、プジョールなどフルメンバーがイタリアまでやってきました。たった半年だけ在籍した選手のために、シーズン中だというのにバルサがこれだけのことをするというのは、普通ではちょっと考えられません。すべてはアルベルティーニの人間性ゆえでしょう。
この日彼は、30m近い正面からのフリーキックを右のアウトフロントにかけてゴール右上隅に叩き込むという、全盛期を彷彿とさせる姿をみせてくれました。まだ34歳、プレーを続けようと思えばまだ1、2年は十分やれるに違いありません。でも、バルセロナでライカールトともにリーグ優勝を勝ち取り、こうして2つの偉大なクラブの人々に暖かく送られつつキャリアに幕を引く、というのも、美しい終わり方であることは確かです。少なくとも表向きは。□





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Last updated  2006.03.17 02:56:16



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