『【ニューヨーク20日時事】20日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米エネルギー情報局(EIA)の週報で原油在庫の減少幅が市場予想を大幅に上回ったことを受けて、買いが強まった。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの7月物は前日終値比1.94ドル(3.23%)高の1バレル=62.04ドルと、中心限月の終値ベースでは昨年11月以来、約半年ぶりの高値で終了した。』(5月21日5時21分配信 時事通信)
何でこんなに高いのだろうか?実需を反映していなさそうである。10ドル位は調整しそうなもんだと思っている。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した現地15日現在の原油在庫は、2週連続で減少し前週比210万バレル減の3億6850万バレル。対前年同期比では18.3%増。
下図が示すように、2週連続して在庫が減少したとは言え、例年に比べ原油在庫はかなり積上がっている。米国経済の景気は最低の状態、在庫が積み上がって良いわけがない。在庫調整がうまくいっていないと考えられる。
下図の米国の原油生産量と原油輸入量のグラフを見てみるとリーマンショック明けから3月までは、原油輸入量、原油生産量共に減らしてはいるがが、原油消費はそれ以上に落ち込んでいるようで、在庫が積み上がってしまったと考えられる。3月以降は景気が底入れし、原油消費増加が見込まれ、原油生産・原油輸入共に増化したが、予想に反し、在庫が高水準に推移し、原油輸入を急遽絞り込んだと見ることができる。
下図の原油精製量のグラフをみると、原油精製量はリーマンショック直後から一貫して原油消費量を増やしている、これは、石油製品輸入を米国内生産に切り替えた為と考えられる。しかし、直近、2週間は石油生産を落としている。一部石油製品(軽油等)のだぶつきが予想される。しかし、この期間、原油在庫が減少しているということは、原油輸入量の縮小がかなり大きいことを意味する。
どう考えても。原油先物価格は実需を反映しているようには見えない。
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