ドバイ政府は、14日、ドバイ・ワールドの債務問題について下記のように発表した。
アブダビ政府とUAE中央銀行が、ドバイ政府に対し重要な支援を提供することで合意した。
【具体的内容】
・アブダビ政府はドバイ政府に100億ドルの金融支援を行う。
・当該資金は、第一にドバイ・ワールドの債務返済に使用することとし、ドバイ政府は本日期日
を迎える41億ドルのイスラム債償還費に充て、残りは、2010年4月30日までの利払い費
用および運転資金に充てることする。
但し、ドバイ・ワールドが発表しているスタンドスティル条項の交渉が成立することを条件と
する。
・ドバイワールドの利払い費および運転資金に用いた残りは、ドバイ首長国内における商取
引上の債権者や契約相手に対する義務の履行に用いることする。
・UAE中央銀行もUAE域内の銀行に対する支援を行う。
・ドバイ政府は、本日中に透明性および債権者保護の国際基準に基づく包括的な再編法を発表
すること。
ドバイ・ワールドやその関連会社が残債務については、債権者に受入不可能な再編策が示せ
なかった場合および当該再建策が途中で中止する場合は、当該法律を適用し処理されること
する。
アブダビ政府がドバイ政府を支援する形で問題を終息させるようである。260憶ドルの債務不履行分をどこまで圧縮できるかが経営再建の分岐点。まあ、これで、また、ドル安が進行することになりそうである。ドル安ユーロー高の進行に伴い、円も徐々に切り上がっていくと考えている。来年1-3月中に80円を割る展開もありそうな気がする。期末に円高が進むことから、輸出産業は円高圧力に苦しめられ業績が下振れしてしまうかも知れない。
参考:スタンドスティル条項(Standstill Provisions)
買収される企業の株主が株式を一定期間買い戻せないとする取り決め。