むーじっく

by the pillows



終始軽いギターロックで駆け抜けていく疾走感が心地よい作品です。
シンプルな編成、シンプルなサウンドで、さらっと聞き流せるのが彼等の魅力だと思います。

｢Wake up! dodo｣はするっと入ってくる曲の出だしと歌いだしが良いです。
じわじわと上げつつ、パタッと仕切りなおす構成も、１曲目に相応しいメリハリがあります。
｢YOUNGSTER(Kent Arrow)｣はキャッチーなメロディーが耳に残ります。
楽器隊が揃って軽快なリフを刻み、グイグイと勢いよく進む上で、ボーカルが気持ちよく踊ってくれます。
｢スケアクロウ｣はしっとりとしたサウンドで言葉を紡ぐ、和風ロックの王道的雰囲気が良いです。
ベタな構成にギターソロ、そこには安心して聴ける良さがあります。
｢プレジャー・ソング｣は颯爽としたリフが良いです。
ギターが歌に沿うように適度に動いていて、シンプルな曲に味をつけているように思います。
｢シリアス・プラン｣は淡々とループするリフのまったりとした進行と、その流れを断ち切るようなサビの重厚なサウンドのギャップが印象的です。
かったるそうに言葉を吐き出していく歌い方も、曲の雰囲気とよく合っていて良いです。

同じようなサウンドで同じようなリフを奏でつつも、それぞれの曲に色がついていて、楽しめる作品となっています。
そして何より、ピロウズを聴こうと思えば期待通りのサウンドが返ってくる一貫性、これにつきるかもしれません。
まさにピロウズ、といった軽快なギターロックに浸れる一枚です。